【舛添都知事日記】都議会を終えて---想定外を前提に危機管理体制を整備したい!
〔PHOTO〕gettyimages

GPIFの改革と株式運用分の拡大に意欲的な安倍政権

都議会の第三回定例会が終わった。例のヤジ騒動の影響で、実に静かな議会であったが、私が進める政策について真剣な討議がおこなわれたことは喜ばしいかぎりである。知事と議会は、ともに有権者から直接選ばれた機関であり、三権分立の原理からも、チェックとバランスが不可欠である。待機児童解消のための政策など、急がねばならない課題の解決に向けた補正予算を組んだが、これも全会派の賛同を得ることができた。

最近の経済指標を見ると、日本経済の先行きについて、必ずしも楽観してばかりはいられないような気もする。消費税増税後の個人消費の回復が思わしくない。2%のインフレ目標を掲げる日銀の方針の下、円安による輸入品の価格高騰もあって、物価は上がっている。

しかし、実質賃金はむしろ下がっており、それが消費の足を引っ張っている。12月には来年の消費税率引き上げについて決めなければならないが、政府は難しい判断を迫られるであろう。10%に上げたときの経済に対するマイナス効果を考えると慎重にならざるをえない。一方で、上げないという決断は海外からの信用を失う危険性も伴う。もう少し、経済の動きを注視していくしかない。

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、このところの株式市場の活況を背景に、運用益を上げている。GPIFは株式の運用が許されているが、地方自治体の公金については、そうではない。総務省が地方自治法をそのように解釈しているからである。

この問題を議論するために、公金運用についての検討会を設置した。専門家の意見を聞くためであり、初回の会合でも、株式運用については賛否両論が出た。ペイオフが導入された以上、預貯金ですら安全ではないという指摘があり、預貯金よりも株式のほうが高リスクだという主張は成り立たないとする専門家もいた。

年金と税金とでは同列に論じられないので、公金で株式運用することには慎重であるべきだという見解もあった。しかし、退職金引当金や水道などの公営企業の基金については、底だまりの部分については元本を毀損するわけではないので、株式運用の対象たりうるという意見も出た。いずれにしても、都の財務諸表をよく検討した上で、株式運用しても問題の無い公金を洗い出す作業から始めたいと思っている。

安倍政権は、GPIFの改革と株式運用分の拡大に意欲的であり、安倍首相によれば、そのため「改革派」の塩崎氏を厚生労働大臣にしたという。東京都が公金による株式運用を提案することは、安倍首相としても大歓迎なはずであり、地方自治法の総務省による解釈は変更すべきときに来ていると思う。政府の勇断を期待する。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら