「みんなの党」浅尾慶一郎代表の
「ゆうちょ銀行4兆円減資」要求はおかしくないか

浅尾慶一郎代表の「みんなの党」はHPメイン画面で「ゆうちょ銀行」の資本4兆円を問題視しているが・・・

「小さな政府」「民間への業務移管」「民間主導の産業活性化」を政策に掲げるみんなの党が、来年秋の上場を目指す日本郵政の戦略に待ったをかける不思議な事態が勃発した。

みんなの党の要求は筋が悪い

発端は、日本郵政がゆうちょ銀行の資本の一部(約1兆3000億円)を原資に、国営時代から抱えるグループの恩給債務処理と、日本郵便への出資拡大を行う方針を決定したこと。これにみんなの党の浅尾慶一郎代表が異を唱え、4兆円規模の減資を行って復興財源に充てるべきだと国会で安倍晋三首相に詰め寄ったのだ。

もっともらしく聞こるかもしれないが、みんなの党の要求は民間企業の経営に口を出す筋の悪いもので、過大な負担を強いる面もある。政府はもともと日本郵政の株式売却益(約4兆円)を復興財源に組み込む計画だ。加えて、日本郵政が国の財政再建に貢献する金額は今回の恩給対策を含めると、4兆7000億円に達する。旧国鉄(日本国有鉄道)など国営時代の債務の多くを免除された過去の例と比べても、日本郵政はなかなかの “孝行息子”と言ってよいはずである。

みんなの党の主張に沿って資本を取り上げれば、ゆうちょ銀行は自らの創意工夫で事業を展開することが難しくなる。浅尾氏の出身母体であるメガバンクなどとの競争で、これまで以上に苦戦を強いられることは明らかだ。

歴史を振り返ると、日本郵政はなんども政争の具にされてきた。が、すでに法律で民営化した以上、政治的な収奪の対象にするのは慎むべきではないだろうか。

5月13日付の本コラム『私が「ゆうちょ銀行」の社外取締役を引き受けた理由』で明らかにしたように、筆者は現在、ゆうちょ銀行の取締役をお引き受けしている。従って、業務執行に伴って知り得た企業秘密を公表しない守秘義務を負っている。また、ゆうちょ銀行の立場でその擁護論を展開する気はない。

しかし、ジャーナリストとして、筋の通らない話に素知らぬ顔はできない。そこで、20年以上にわたり郵政民営化を追いかけてきた経済ジャーナリストの立場から個人的な見解を表明しようと決断した。そのことを最初にお断りしておく。

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