[MLB]
杉浦大介「“運命のチーム”はどこか」

2014年プレーオフ大予想
2年目の今季はパワーダウンしたドジャースのプイグだが、依然として怖い打者であることに変わりない。

 2014年のMLBも大詰めに差しかかり、今週から全米各地でプレーオフが始まっている。ヤンキース、レッドソックス、ブレーブスという伝統チームが揃って出場しないポストシーズンは1989年以来。本命不在の大混戦模様だ。

 9月30日に行なわれたアメリカン・リーグのワイルドカードゲームではロイヤルズとアスレチックスが延長12回にもつれ込む死闘を演じ(ロイヤルズがサヨナラ勝ち)、いきなり全米のベースボールファンを堪能させた。今後もこのような大接戦が続きそうな中、覇権に最も近い位置にいるのはどのチームか。今回は世界一の本命、対抗馬、穴を選び、その行方を占ってみた。

投打のバランス良好、唯一の不安は抑え

本命 ワシントン・ナショナルズ(ナ・リーグ東地区優勝、96勝66敗)

 現時点で勝ち残った8強の中で、最もバランスの良いロースターを誇っているのはナショナルズだろう。
 今季のチーム防御率、先発投手の防御率ではメジャー1位、ブルペンの防御率ではメジャー2位。オフェンス面でも得点、本塁打数、出塁率、盗塁成功率はすべてリーグ4位以内と、攻守ともにスキは見られない。シーズン後半の90戦ではナ・リーグ最高の59勝31敗と、秋に向けて測ったように調子を上げてきた。

2012年最多勝のジオ・ゴンザレスが4番手になるほど先発投手陣は充実している。

 ロースターをより詳細に見ても、投手陣ではエースのスティーブン・ストラスバーグ(14勝11敗、防御率3.14)が今季最後の3先発機会で20イニング無失点、2番手のジョーダン・ジマーマン(14勝5敗、2.66)はシーズン最終戦でノーヒッターを達成と、ここに来て2枚看板が絶好調。3番手以降もダグ・フィスター(16勝6敗、2.41)、ジオ・ゴンザレス(10勝10敗、3.57)と実績ある投手が続き、15勝(10敗、2.85)を挙げたタナー・ロアークでさえも先発機会がないほどにローテーションの層は厚い。

 打線では24歳のアンソニー・レンドン(打率.287、21本塁打、17盗塁)がチーム内MVP。さらにジェイソン・ワース(.292、16本塁打)、アダム・ラローシェ(26本塁打、92打点)、イアン・デズモンド(24本塁打、91打点、24盗塁)、ブライス・ハーパー(.273、13本塁打)、デナード・スパン(打率.302、31盗塁)といったタイプの違う好打者がずらりと揃う。

 ほぼ同様の主力メンバーでここ数年戦い続けているがゆえ、すでに完成されたチームであり、多彩な形で勝利を掴むことができる。このナショナルズと5~7度も続けて対戦し、勝ち越すのはどのチームにとっても並大抵ではない。

 唯一不安があるとすれば、不調のラファエル・ソリアーノ(32セーブ、セーブ機会失敗7度)に代わり、ドリュー・ストーレンがクローザー役を引き継いだことだろう。ストーレンは防御率1.12、シーズン終盤は23試合連続で自責点ゼロと、昨季の上原浩治(レッドソックス)を彷彿とさせる快進撃を続けてきた。

 しかし、2012年の地区シリーズ第5戦の9回表、カージナルスに4点を奪われて大逆転負けを喫した痛恨の思い出はまだ鮮明。首都の球団が90年ぶりの栄冠に辿り着くために、27歳のクローザーが悪夢の記憶を振り払い、終盤の切り札として確立できるかがポイントのひとつとなるはずだ。