北京のランダム・ウォーカー

香港の若者たちが反旗を翻した「雨傘革命」---習近平政権の内政と外交にもたらす影響は?

2014年10月06日(月) 近藤 大介
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〔PHOTO〕gettyimages

香港の「雨傘革命」が盛り上がっている。学生たちが「香港政庁突入」の期限としていた10月2日の深夜に、梁振英行政長官が「学生との対話」をラジオで述べたことで、ひとまず最悪の危機は回避された。だが、学生が要求している梁行政長官の辞任を、本人は断固拒否しており、今後の展開は不透明だ。

北京の習近平政権からすれば、一国二制度で「中国の一部分」であるはずの香港の若者たちが突如、「反旗」を翻したことに、衝撃を受けているに違いない。

私は今回の「雨傘革命」を、2つの側面から注視している。すなわち、この運動が中国の内政と外交にどういった影響を与えるのかということだ。

古代中国の「法治」とは、皇帝が人民を縛るための道具

まず、内政から見ていこう。習近平政権の今年最大の内政関係のイベントは、10月20日から23日まで開く「4中全会」(第18期中国共産党中央委員会第4回全体会議)である。習近平主席は9月30日に、中央政治局会議を招集し、「中国共産党中央委員会による法治国家を全面的に推進するための若干の重大な問題の決定について」と題した長いタイトルの草稿について、「4中全会」で集中的に議論することを採択した。

この草稿に「法治国家」と書いてあるからといって、中国は長年の人治国家から、ついに法治国家へと生まれ変わるのかと考えるのは、早とちりというものだ。ここで言う「法治国家」とは、われわれ日本人が考える「法治国家」とは似て非なる概念だからだ。

思えば中国は古代から、世界で一番「法治」が発達した国家だった。一例を挙げれば、紀元前の漢代においてすでに、6000万国民の戸籍を整備し、裁判制度を敷いて法治体系を整えていた。恐るべき先進国家だ。

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