ジョブズは自分の子どもにiPadもiPhoneも触らせなかった

いつスマホを持たせたらいいの?
ニック・ビルトン

「消費される時間」と「創造する時間」は区別すべき

テクノロジー関連で働く親たちのなかには、時間による制限を設けている者もいるが、子どもがスクリーン上でやってもよいことに関して、より厳しく制限している親もいる。

アイライクの創業者でフェイスブック、ドロップボックス、ザッポスのアドバイザーでもあるアリ・パートヴィは、ユーチューブやビデオゲームなどの「消費される」時間と、スクリーン上で「創造する」時間を明確に区別すべきだと指摘する。

「子どもが絵筆をとったり、ピアノを弾いたり、ものを書いたりする時間に対しては制限しないということと同様で、コンピューター・アートやビデオの編集、あるいはコンピューターのプログラミングをするために使う時間を制限するのは、おかしなことだと思います」と彼は言う。

しかし一方で、完全な禁止が裏目に出て、デジタル・モンスターを生みかねないと指摘する者もいる。

 

ツイッターの最高経営責任者であるディック・コストロ夫妻は、ともにティーンエージャーである2人の子どもたちが居間にいる間は、好きなだけデバイスを使うことを許可している。過剰な時間制限は、子どもに逆効果を生みかねないというのが彼らの考えだ。

「ミシガン大学にいたころ、寮の隣の部屋にいたヤツの部屋には、コカコーラやその他の炭酸飲料の箱が山ほど置いてあったんです。後になって、それは、子どものころに親が炭酸飲料を決して飲ませてくれなかったからだということが分かりました。子どもにある程度、こういったものに触れさせておかないと、後々どんな問題が起こるか分かりませんからね」とコストロは言っている。

私はジョブズに、子どもたちは彼が作ったデバイスを使う代わりに何をしていたのかを聞きそびれたので、彼の家で多くの時間を過ごした、『スティーブ・ジョブズ』の著者であるウォルター・アイザックソンに連絡をとってみた。

「スティーブは、毎晩キッチンにある大きな長いテーブルで必ず夕食をとり、本や歴史、その他あらゆることについて話していました。iPadやコンピューターを取り出す者は誰もいませんでしたよ。彼の子どもたちが、デバイス中毒になっている様子は、まったくみられませんでした」とアイザックソンは言った。

(文・ニック・ビルトン/翻訳・オフィス松村)

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