メディア・マスコミ
「吉田調書の全容判明」---各紙そっくりの1面トップ記事は、STAP論文の「コピペ」とどう違う?
「吉田調書の全容判明」を報じる毎日新聞と西日本新聞。見出しを除けば記事内容は同じ

「コピペ」と言われかねない、うり二つの記事

STAP細胞論文で話題になった「コピペ」。筆者の小保方晴子氏は他人の文章を出所を明示せずにそのまま使用したことで、マスコミから「盗用した」などと糾弾された。

だが、似たような慣行がマスコミ業界内部でも横行している。それについて当のマスコミは見て見ぬふりを決め込んでいるようだ。ひょっとしたら「コピペと言われかねない」という危機意識さえ持っていないのかもしれない。

それが象徴的に表れたのが「吉田調書」報道だ。8月31日付の各紙朝刊は1面トップ級の扱いでそろって「吉田調書の全容判明」という記事を掲載している。全国紙では毎日新聞、主要地方紙では北海道新聞、中日新聞、西日本新聞などだ。各紙読み比べると、「過酷な状況下の心情」「怒りをあらわに」をはじめ、細かな表現まで含めて記事内容は同じだ。

1面ばかりか中面の記事もそっくりである。個人的に購読している新聞のうち、毎日は2面で「『命令違反』認識なし」、西日本は3面で「『命令違反』の認識示さず」という見出しを使い、同じ記事をトップ扱いにしている。解説記事も見出し「他証言と照合を」を含めうり二つだ。

つまり、1面のトップ記事のほか中面の関連記事や解説まですべて実質的に同じというわけだ。

各紙ともどこからか同じ記事をまるごと転載しているのか? 表面的には転載ではない。記事中には転載元が書かれていないからだ。普通に読めば、毎日の読者は「毎日の記者が書いた記事」と思うだろうし、西日本の読者は「西日本の記者が書いた記事」と思うだろう。だが、「コピペ」でない限りは、記事内容が細かな表現まで同じになるはずがない。

「吉田調書の全容判明」は中面の関連記事もうり二つ(左が西日本新聞、右が毎日新聞)
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