スポーツ

[サッカー]
大野俊三「アギーレに築いてほしい守備の礎」

2014年10月02日(木) スポーツコミュニケーションズ

 ハビエル・アギーレ監督率いる新生日本代表は、ウルグアイに0-2で敗れ、ベネズエラと2-2で引き分けました。初陣で準備期間が短かったこともあり、監督も選手も思い通りのサッカーができなかったように映ります。しかし、焦る必要はありません。大事なのは2試合を通じて出た課題、チーム内の意識のズレなどを今後、いかに修正していくかです。

アンカー採用の有効性

 アギーレ監督は、会見などで「守備を充実させたい」と言っています。2戦4失点は連係不足、ミスが大きな要因だったとはいえ、彼も少し戸惑ったでしょう。守備を整備しなければ、日本が世界で勝っていくことは難しいと実感したはずです。アギーレ監督には、根気強く、守備強化を進めていってほしいですね。

 そもそも、日本サッカーはこれまで、どちらかというと攻撃に主眼を置いてきたと私は見ています。監督が代わる度に「代表の守り方」も変化してきました。これでは、国内クラブ、育成年代のチームにも一貫した守備戦術を示すことができません。攻撃は選手のイマジネーションなどによる“変化”が大事ですが、守備に関して言えば、変化は“不安定”につながりかねません。アギーレ監督には、「これが代表の守り方だ」と言えるくらいの戦術、意識を選手たちに植え付けてほしいところです。

 その意味で、アギーレ監督がアンカーを採用したのは、いい試みだと思います。アンカーといえば、南アフリカW杯を戦った岡田ジャパンで採用されたことを記憶している人も多いでしょう。このポジションは、守備において極めて重要な役割を担っています。

 それは、守備の方向性を決めるということ。アンカーが左サイドに相手ボールホルダーを追い込もうと動けば、DFラインも連動して左側にずれる。プレスをかけにいく選手は、右側のコースを切る。アンカーを起点にして、周囲の守備連動をスムーズにするのです。現状、まだアンカーと周囲の関係性は上々とは言えませんが、徐々に改善されれば日本の守備の組織はより強固なものになるでしょう。

 アギーレ監督の守備を重視するという考えは、決して“守備的”ではないということを7月のコラムで書きました。いくら「攻撃的なサッカーを目指す」といっても、失点を繰り返しては試合には勝てません。サッカーを成り立たせる上で大事なのは守備を安定させること。ウルグアイ戦、ベネズエラ戦での4失点は、守備を見直す、いいきっかけになったのではないでしょうか。チームを立ち上げたばかりだからこそ、失敗しながらでも着実に守備の礎を築いていってほしいですね。

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