山崎元「ニュースの深層」
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シティバンクの個人向け営業部門を
日本の銀行が買う価値はあるか?

2014年10月01日(水) 山崎 元
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「102歳の離別。」シティバンクの前身となるインターナショナル・バンキング・コーポレーションが日本で最初の支店を横浜に開設したのは1902年。歴史は古い(深夜の西日本シティ銀行博多支店 撮影|山崎元)

シティバンクが日本を「捨てる」理由

金融マンとして、先行きに興味を持つと共に、「なぜ?」を考え続けている問題がある。それは、シティバンクの日本のリテール・ビジネス売却方針だ。

シティバンクは、日本の個人向け営業部門のビジネスを売却すると突然発表し、報道によると、当初6行が入札に参加したが、現在、4行が残っている状態という。現在残っているといわれているのは、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行、新生銀行の4行だ。

業界人の端くれとしては、当面、これら4行のどこがシティの日本のリテール・ビジネスを手に入れるのかに興味がある訳だが、実は、それ以上に興味深いのは、なぜシティバンクが日本のリテール・ビジネスを売却すると決めたのか、その理由だ。

筆者の理解では、シティバンクの強みは、世界各地の拠点で預金の出し入れをはじめとする取引が可能な、真にグローバルなリテール網を築いていることだ。一番得な相手なのかどうかは分からないけれども、シティなら多くの場所で使えるから安心だと思って同行と取引している「国際派」の顧客は少なくあるまい。

シティグループにとっての、彼らを捨てる意味、また、グローバルなリテール・ビジネス網にあって日本に穴が開いていいのかということも他人事ながら気になる。

低成長で今後人口が減るとはいえ、日本には大きな金融資産を抱えた顧客がいるし、何よりも、これから外国人の来訪が増えることが予想される。このマーケットでのビジネスをなぜ彼らは捨てるのだろうか。

経済を考えるにあたっては、基本的に愛国心は邪魔な要素だが、それにしても、シティバンクが捨てようと思うほど、日本のリテール金融ビジネスには魅力がないのかと思うと、考え込んでしまう。ビジネスの場としての日本は、それほど迄に可能性がないのか。

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