賢者の知恵
2014年10月09日(木) 週刊現代

急増中妊娠示談詐欺「ごめん、オレ、妊娠させちゃった」ウチの祖父ちゃんがダマされた

週刊現代記者が怒りの告発レポート!

週刊現代
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だます前日にも電話が

〈大変です!お祖父ちゃんが詐欺に遭いました〉

9月の初め、母から突然届いたこのメールに、私は吃驚した。

ウチの祖父ちゃんはまだボケてはいなかったよな。いったい何の詐欺だ?健康器具でも売りつけられたのか?まさか、「オレオレ詐欺」じゃないよな……。

気持ちばかりがはやり、返信が上手く打てない。仕方なく母に電話した。

「オレオレ詐欺よ!しかも妊娠示談詐欺ってやつ。とにかく、あんた今週末帰って来なさい。お祖父ちゃん、落ち込んじゃって大変なのよ!」

そうまくし立てる母。ひどく動揺していた。

妊娠示談詐欺とは、息子を装って高齢者に電話をかけ、「女性を妊娠させてしまって示談金を要求されている」と語り、カネをだまし取る詐欺だ。

確かに最近、〈妊娠示談詐欺が増えています。振り込む前にご注意ください〉などという注意書きを、コンビニや駅のATMで、よく目にしていた。だが、まさか祖父が引っかかるとは。

40年以上にわたって都内の高校で現代文の教師を勤め上げた祖父は、今年で85歳。退職後は地域の活動に積極的に参加し、町内会では役職を務めてきた。

性格は厳格。そして喧嘩っ早い。80歳を超えたいまでも、趣味のゲートボールでマナーの悪い者がいればすぐさま注意をし、大喧嘩になることがあるほどだ。

そんな祖父だけに、詐欺に引っかかるとは思えなかった。だが、週末に実家に戻り、祖父から詳しく事情を聞くと、怒りを覚えると共に恐怖した。その手口は緻密かつ周到。そして、子を持つ親の心理を徹底的に利用したものだった—。

プルルル、プルルル……。

東京都多摩地区にある古い木造建築の祖父の自宅で、電話が鳴った。

祖父「もしもし、加藤(仮名)です」

男「あ、俺だけど……」

低く小さい声。遠くなった耳では聞き取りづらかったが、今年で46歳になる次男のヒロシに似ていた。

祖父「おー、ヒロシか?」

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