プロ野球CSスタート「弱者の兵法」で巨人、ソフトバンクに勝つ 広島vs.オリックスの日本シリーズが見たい!

「強者」の巨人とソフトバンクが、勝ち上がったのではつまらない。見たいのは、今季を盛り上げてきた広島とオリックスの決戦だ。彼らはいかに強敵に挑むのか。CSを徹底シミュレーションした。

「奇襲」を仕掛ける

「狙われるモンより、狙うモンのほうが強いんじゃ」

ペナントレースの大勢が決したいま、全国の広島カープファンは一様に、映画『仁義なき戦い』のこの名ゼリフを唱えている。

狙われるモン、それは当然、首位・巨人のこと。ペナントレースでは遅れをとった広島は、CS(クライマックスシリーズ)での雪辱に燃えているのだ。

もちろん、巨人との決戦の前に、ファーストステージでぶつかる阪神に勝たなければならない。ただ、もはや広島にとって、阪神は相手にはならない。

広島の正捕手として、弱かった時代を懸命に支えてきた西山秀二氏が言う。

「地力は、広島のほうが上だと見ています。阪神は上本や大和など、まだまだ経験の浅い選手が多い。一方の広島は、菊池や丸など、若いが経験を積んだ選手たちが主力です。大舞台で力を発揮できるのは、間違いなく広島のほうですよ」

阪神を確実に2連勝で降し、巨人へのリベンジに挑む広島。とはいえ、巨人との直接対決はここまで、10勝12敗1分け。それだけに、巨人との短期決戦は真っ向勝負では話にならない。

広島通で知られるジャーナリストの二宮清純氏が言う。

「今季の広島は、波のあるチーム。6月に9連勝をしたかと思えば、直後に6連敗。ですから、いい波をいかにCSに合わせるかがカギです。勢いを呼び込むためには、場合によっては相撲のけたぐりや猫だましのような『奇襲』を仕掛ける必要もあるでしょう。かつて落合中日が巨人相手に初戦、ノーマークの小笠原を先発に立てたように」

つまり、大戦力を誇る巨人に勝つためには、相手の嫌がる「弱者の兵法」を用いるほかないのだ。

では具体的に、いかに巨人を倒すのか。CSをシミュレーションしながら、そのカギを探っていこう。

広島はいきなり奇策を打つ。初戦を「捨てる」のだ。だが、これは第6戦までの長期戦を見越した兵法。後に来る勝機を絶対に逃さないために、あえて初戦は戦力を温存する。

第1戦。CSでは首位の巨人に1勝のアドバンテージがあるだけに、本来なら絶対的エースの前田健太を登板させ、ここでタイにしておきたいところ。しかし、それはぐっと我慢。