米国の図書館がヒューマノイドを導入---30年前の「パソコン」と同じフェーズに入った「ロボット」の現在
小林 雅一 プロフィール
仏アルデバラン・ロボティクス社のホームページより

米コネティカット州の図書館が2台のヒューマノイド(人型ロボット)を導入したという。

●"Coming Soon to the Library: Humanoid Robots" THE WALL STREET JOURNAL, Sept. 29, 2014

同州のウエストポート図書館が購入したのは仏アルデバラン・ロボティクスが今年発売した「Nao Evolution」という、身長が約60センチのヒューマノイドだ。上の記事では値段が不明だが、同製品の日本での発売価格は約100万円と言われているので、米国でも恐らくそれ位の価格だろう。アルデバランはソフトバンクの子会社で、来年発売予定の「ペッパー」を開発した会社でもある。

ウエストポート図書館ではこの2台のヒューマノイドを、主にロボットのプログラミング等、教育用に使うという(ヒューマノイドをプログラムすると、色々な面白い動作や仕草ができるようになる)。この図書館は他に先駆けて前衛的な試みをすることで有名で、今から30年以上前のパソコンや最近の3Dプリンターなどを真っ先に導入してきたという。同図書館の館長によれば「次に来るのはロボットなので、今回も早々と導入を決めた」という。

身近な社会に浸透し始めたロボット

実際、米国では、この種の次世代ロボットが徐々に身近な社会へと浸透し始めているようだ。たとえば日本のメディアでも時々紹介されるヒューマノイド「バクスター」は、人間と共同作業ができる上、価格が2万ドル(約200万円)と安いので、中小の工場で製造ラインなどに導入されている。他にも、価格が3万~5万ドルの次世代ロボットが、工場で製品の組み立てや、部品や工具の搬送などに使われ始めている。

工場以外にも、倉庫で荷物を搬送するロボット、ホテルでルーム・サービスに当たるロボット、人間の代理として遠隔地の会議に出席するロボットなど、実に多彩なロボットが既に米国社会で働き始めている。「テレプレゼンス・ロボット」と呼ばれる代理ロボットなどは、日本でも使われている(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/38559)。

また最近話題のドローン(無人航空機)も次世代ロボットの一種だが、米国や日本では商用利用はまだ規制されている。ただ先日、米FAA(連邦航空局)がハリウッドの映画製作スタジオ7社からの要請に応え、ドローンを空撮用に使うことへの特別許可を出した。また今年6月にも、FAAは英BPなど石油メジャーがアラスカ州内の油田調査にドローンを使うことを許可している。米国では、ドローンに対する統一的な運用基準は2015年末までに策定される予定だ。

日本でも警備会社のセコムが、今年度中に不審者を追いかけるなど商用設備での警備にドローン(小型の無人ヘリ)を導入する予定とされる。恐らく今は、国土交通省など規制当局からの許可が下りるのを待っているところだろう。他にも「商品の配送」や「プラントの資材管理」など、多方面のドローン商用化に向けて産業各界の準備が進んでいる。規制当局からの統一的な運用基準もいずれ示されるだろう。いくら便利だからと言って、勝手に何十万台も市街地の上空を飛ばれると危ないので、こればかりは適切な規制が必要だ。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら