論文試験は「起承転結」のパターンで論述の流れを覚える 「東大首席→財務省→弁護士」を支えた最強メソッド

論述問題のパターンを「ストーリー法」で覚える

記憶を単体ではなく「ストーリー」として覚える「ストーリー法」。
東大首席→財務省→弁護士を支えた最強メソッドを紹介。

『誰でもできる ストーリー式記憶法』著者の山口真由さん (撮影/ホンゴユウジ)

論述問題にどう対応するか

「流れ」で覚える方法。これは、司法試験の論文試験の問題においても威力を発揮しました。
司法試験をはじめとする「論文試験」の場合には、この起承転結のパターンで論述の流れを覚えることが非常に有効です。

(1)「起」:テーマ設定(「本件の問題点は・・・・・・」)
まずは、この部分ではどういうテーマについて論じるかを書きます。

(2)「承」:自分の考えを述べる(「思うに・・・・・・」)
自分の考えを述べて、それを支える材料を集めます。

(3)「転」:自分の考えと反対の考えを述べる(「これに対して・・・・・・」)
自分の考えと反対の考えを述べて、それに対する反証をします。

(4)「結」:結論(「以上より・・・・・・」)
最後に、もう一度、自分の考えを念押しします。

どんなに長い論文問題でも、基本はこの構成です。あとは、論点の数が増えれば、それに従って、論点の数だけこの作業を繰り返すだけでした。

考えてみれば、この「起承転結」は論文のみならず、物語の基本的な構造。まず、冒険のためのテーマを設定して(「起」)、そして、冒険に向かうための仲間を集め(「承」)、次に、敵と戦ってその敵を倒し(「転」)、そしてハッピーエンド(「結」)というのは、たとえば、「友情」「努力」「勝利」を旨とする少年漫画の典型。そして、私が知る限り、これは世界共通の物語のパターンなのではないかと思います。

こう考えると、人類共通に「起承転結」という、覚えやすい「ストーリー」があり、論文試験であれ何であれ、この「ストーリー」に結びつけて覚えることで、記憶が圧倒的に容易になるのではないかと思うのです。

ここから、バラバラに覚えた知識には意味がないことがおわかり頂けると思います。「論点」、「自説」、「反論」、「結論」という4つの要素はすべて合わさって「流れ」を構成しています。これらの4つをばらばらにしたのでは、覚えにくい上に、実際には使えない。「流れ」というひとつのストーリーで覚えることの重要性が、ここでもお分かりいただけると思います。

司法試験の論文試験が近づいてくると、論点ごとの「流れ」を繰り返しアウトプットすることで再現することが必要になります。これが、記憶のアウトプットの練習です。

アウトプット作業は、負荷の高い順番に「書く」→「話す」

試験の準備が万全ならば、この「流れ」を丁寧に書いていく方法も可能でしょうが、書くのは時間がかかって、繰り返しの観点からは非常に弱い。

そこで、「書く」の次に、負荷が高い「話す」動作が有用。そもそも速記者が特別な資格となるくらい、口述と同じ速度で筆記することは難しい。だからこそ、「話す」という方法は、負荷が高いわりに時間がかからない、とても有効な方法なのです。

時間がない人のためにさらなる時間短縮法があります。それは、頭の中で「流れ」を再現するという方法です。

具体的には、まず、「論点」「自説」「反論」「結論」それぞれのパートごとに、「冒頭に述べる語句」を頭の中に思い浮かべます。

「論点」ならば「本件の問題点は・・・・・・」、「自説」ならば「思うに・・・・・・」、「反論」ならば「これに対して・・・・・・」、「結論」ならば「以上より・・・・・・」といった具合に、「冒頭に述べる語句」を、頭の中のホワイトボードに書き出していくのです。そして、この冒頭の語句に続く文章を、続けて、頭の中に書き出していきましょう。
ひとつの論点について、一連の流れをすべて記憶できればクリア。次の論点に進んで下さい。慣れればどんどん速くなります。

「書いて思い出す」「話して思い出す」よりも、もっと簡単な「考えて思い出す」。繰り返しの観点からは、最も有効な方法です。
しかし、一定の注意も必要です。

「考えて思い出す」だけしかやっていなければ、本番になって、漢字が出てこなかったり、段落分けでとまどったりと、勝手違いのことが起こりがち。
それを防ぐためには、「考えて思い出す」「話して思い出す」「書いて思い出す」のアウトプットの練習は、どれかに偏らずに組み合わせる必要があります。どの程度の組み合わせにするかは、試験までに許される時間との相談です。

もっとも、私の経験からいえば、「書いて思い出す」1割、「話して思い出す」2割、「考えて思い出す」7割くらいがベストでしょうか。

山口真由・著『誰でもできる ストーリー式記憶法』より

山口 真由(やまぐち・まゆ)
北海道生まれ。本書の記憶法をベースに独自の学習法を確立。学習塾には一切通わず、中学3年生のときの模試で全国1位を獲得。これをきっかけに筑波大附属高等学校を受験、見事合格する。
その後も独学で、2002年東京大学教養学部文科一類(法学部)に入学。在学中3年生時に司法試験合格、4年生時に国家公務員I種試験合格、さらに必要単位162単位オール優で東京大学法学部を首席で卒業。
その後、財務省に入省し、主に国際課税を含む租税政策に従事する。09年9月、弁護士登録。現在は主に企業法務を扱う弁護士として働きながら、コメンテーターとしてのテレビ出演や講演活動などでも活躍。
処女作『天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある。』(扶桑社)は、努力を方法論化したメソッドが多くの人に支持されベストセラーとなる。
その他の著書に『東大首席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法』(PHP研究所)、『エリートの仕事は「小手先の技術」でできている。』(中経出版)がある。

山口 真由・著
『誰でもできる ストーリー式記憶法』
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・頭の良さと記憶力は関係ない
・一定のスピードで読む
・覚えるときは他人の解釈を入れない
・授業を録音し、翌日までに聴く
・出来事にインパクトを与える
・記憶に適したプレッシャー