経済の死角

山田肇×吉川尚宏×町田徹 【最終回】 「『首都圏電波』『外資』など4社目の携帯キャリア新規参入の方法はこんなにある」

~日本の電波の有効活用を考える座談会~

2014年09月30日(火)
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[左から] 山田肇さん(東洋大学教授)、司会の町田徹さん(経済ジャーナリスト)、吉川尚弘さん(ATカーニーパートナー)

【第5回】はこちらをご覧ください。

第4の事業者が参入しやすい条件を

町田: やっぱり、オークションを入れたくないための詭弁が常に出てくるリスクは見ておかなければいけないという話になるわけですね(笑)。

いま話が出た周波数の割り当ての指針について、吉川さんのほうからご説明いただけますか?

吉川: 5GHzではなく第4世代の割り当てで、3.4~3.6GHz帯を使う20MHz分ですかね、この割り当てをしましょうという案が出ているんです。これが残念ながら3社に対する割り当てなんですね。これだけ「4社体制でもっと競争政策が必要だ」、「競争政策と電波政策をリンクすることが必要だ」、と散々総務省の報告書に出ているにもかかわらず、やっぱり3社が対象なんです。

なぜ4社にできないのかということに、当局は答えを出さなければいけないと思うんですね。投資がかかるのはわかります。でも、投資がかからないような割り当て方式って一回議論する必要があるんじゃないか、と。

さっきおっしゃったように、本当に細かいバンドを与えて、全国のセンサーネットワークに割り当てるとか、あるいは東京オリンピックまでの間に都市開発が進む中で、ビル内だけで閉じた免許を無線0種みたいな形で付与して、不動産会社が携帯電話事業者になってそれをドコモやKDDI、ソフトバンクに卸役務の形で提供する形をつくるとか、工夫ができる。それがいきなり3社ありきになっていて。

山田: 700MHzの配分のときに、700MHzを二つに分けるんだよね、とみんなが思っていたら、なぜか突然三つに分けるような凄く中途半端な分け方をした。結果的に700MHzのLTEはLTEとしての最高性能は出せないようにして、強引に3社にして、イー・モバイルに与えたらイー・モバイルがソフトバンクに吸収合併されたという悲劇が起きているわけです。だから、「今はもう3社しかないんだから3社に公平に分ければいい、ハイ、オシマイ」と言っていて、そのあと状況の変化があったらどうするのか、ということですよね。

もっと公明正大に、何か理屈を作って、常にこの方式でやっていきますというのが正しい。アメリカ等ではそういう意味でオークションのような形で凄く公明正大にやっているわけですよ。これまでの割り当ての失敗記録のようなものはどんどん山積みになってきているのに、それに対する反省がない。

町田: 今回について言えば3社にタダであげますと言っている。タダでもらえたらやるかもしれない4社目のことは考えてないわけです。設備投資が莫大だと言うけれども、少なくとも何MHz分がタダでもらえたら、そのための設備投資をやるかもしれない4社目を無視しているわけですよね。

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