【舛添都知事日記】備えあれば憂いなし! 2020年へ向けて、全国民で危機管理を!
〔PHOTO〕gettyimages

感染症対策という柱を一本立てるべき

代々木公園で蚊に刺された人がデング熱と診断された。これは70年ぶりの国内発生例である。都は、国やほかの自治体と協力して、その対応に全力をあげている。そのような中、9月25日には、三鷹市で特定外来生物であるセアカゴケグモが見つかった。都内では初確認である。

モノ、カネ、ヒトが世界中を動き回るとき、昆虫などの生物もまた大きく移動する。セアカゴケグモはオーストラリアが原産地だというが、コンテナなどで荷物と一緒に運ばれてきた可能性もある。しかし、最大の問題は、地球温暖化などの理由により、日本でも熱帯性の生物が生息できる環境になっているということである。これからは、そのことを前提にして、感染症対策などの準備が不可欠である。

2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会開催中に、代々木公園でデング熱のウイルスを持った蚊が大量に生存していると想定してみよう。新国立競技場でおこなわれる開会式には、8万人の観客が訪れる。海外からの観客の中には感染症に感染している者もいるかもしれない。ウイルスを持っていても発症せず、入国時の検疫をすり抜ける可能性もある。

これら、さまざまな事態を想定して、実際にどうするのか。本格的な危機管理が必要である。組織委員会の森会長にも、その点について十分な対応をすべきことを話してある。2020年東京大会の準備に当たっては、感染症対策という柱を一本立てるべきである。

40度近い高温多湿な日本の夏での開催である。熱帯に住みなれた人々でも、日本の夏のほうが暑いという感想をもらす。私の経験からしても、赤道直下のインドネシアの夏のほうが快適である。IOCの方針で、開催時期をずらすことはできないが、頭の痛い問題である。

近年、真夏の日本では、集中豪雨が頻発している。最近も広島で甚大な被害が生じている。直下型地震を含めて、防災に全力を挙げねばならない。都市の洪水対策として、地下に貯水池を作る作業を進めている。善福寺川周辺の施設を視察したが、これで川の氾濫を防ぐことができれば、住民の生命と財産を守ることができる。

木造密集住宅についても、再開発を進め、不燃化、耐震化を進めなければならない。いったん火事になれば、大惨事となる。防災にコストをかけることは無駄使いのように見えるかもしれないが、それを怠れば、もっと甚大な被害が生じてしまうことを忘れてはならない。

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