篠崎史紀 第4回 「"鈴木鎮一スピリット"を受け継いだ父・篠崎永育の怪物的教育法」

2014年10月01日(水) 島地 勝彦

撮影:立木義浩

第3回はこちらをご覧ください。

シマジ マロさんがこんなにのびのびと大きくなられたのは、やっぱりお父上の影響が大きかったようですね。

篠崎 おっしゃる通りです。父は今年で77歳になりますが、いまも元気に北九州の小倉で子供たちにヴァイオリンを教えています。

父の少年時代というのはちょうど太平洋戦争が激しくなったころで、敵国語であった「ヴァイオリン」は「小提琴」といわなければいけなかったそうです。戦争のために命を投げ出すことが美徳とされた時代ですから、ヴァイオリンなどとても弾いていられる状況ではなかったのでしょう。

やがて終戦を迎え、18歳になった父は鈴木鎮一先生の著書と運命的な出会いを果たしたんです。ヴァイオリンの勉強を再開した父にとって鈴木先生は、「世の中にはとんでもない怪物がいる!」と思うほどの衝撃で、信州松本まで直接訪ねていったそうなんですよ。

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セオ まさにシマジさんがいう「じかあたり」ですね。

篠崎 実際にお会いして二言三言話した途端、鈴木先生の魅力に取り憑かれた父は、「悪いですけど、今日からここに置いてもらいます」といって、そのまま弟子入りしてしまったんです。それから9年間松本に滞在して、"鈴木鎮一スピリット"を一滴も余さず吸収したそうです。

「スズキ・メソード」の最大の目的というのは「楽器を通じて人の精神を豊かにする」ということで、決してヴァイオリンの英才教育ではないんです。後年このシステムから優秀なヴァイオリニストが多く輩出されたため、ヴァイオリンの英才教育のメソッドだと勘違いされてしまったんですが。

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