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「一度決めたこと」を変えられない人たち「東大出」財務官僚が日本を破壊する
大特集「消費税10%」で、日本と安倍政権が終わる第2部

消費税10% 安倍よ、麻生よ、そろそろ気付いたほうがいい

聞く耳を持たない

「消費再増税を先送りにする? 財務官僚はそんなこと、これっぽっちも考えていない。すでに再増税は法律で決まっていること。仮にこれを延期することになれば、年明けの通常国会に改正法案を提出しなければならない。そうすると、安倍政権は財政健全化や社会保障の充実のための財源の確保との矛盾を厳しく問われ、政局化する。安倍(晋三)総理がそんな政治的リスクを取る判断をすることはありえない」

ある財務省有力OBはこう断言する。だが、前章でも見たように、8%への消費増税でも、日本経済は瀕死の状態だ。

信州大学教授の真壁昭夫氏が言う。

「今年の4月以降、家計の消費支出は4ヵ月連続で減少し続けています。こうした状況下で、消費税をさらに上げることは正気の沙汰とは思えません。消費税率を上げても、消費が低迷して企業業績が悪化すれば、税収も結局は減ってしまいます。財政にとってもマイナスです。つまり、何のメリットもない」

安倍政権の足元からも消費再増税への懸念は噴出している。アベノミクスの立て役者とも言われる山本幸三代議士は、ウォール・ストリート・ジャーナルの取材に対し、「消費増税を延ばしたほうがいいと思い始めた」とコメント。また、本誌前号では内閣官房参与で、元財務官僚の本田悦朗氏が「1年半遅らせるべき」だと発言している。

だが、権力の中枢を担う東京大学出身の財務官僚たちが、内外からの増税反対の大合唱の声に耳を傾けることはない。彼らにとって消費税10%は「一度決めたこと」。それを覆すことは自らの過ちを認めることになるから、どんな異論があろうとも実行する。その結果、庶民の暮らしがますます困窮しようと知ったことではない。ある財務省幹部はこう言い放つ。

「結局、代議士先生は大型経済対策を盛りこんだ補正予算などの『人参』をぶら下げれば、それに食らいつく。今回、総務会長に就いた『ミスター公共事業』こと二階(俊博)氏を筆頭に、自民党内の『土建屋思考』は根強い。来春の統一地方選で傘下の地方議員を優位にするためにも、地元に手厚い予算配分を行えば、消費増税には結局賛成せざるを得ない。本田さんが反対しているって? あの人はたんなる目立ちたがり屋(笑)。景気対策のために日銀が追加で金融緩和を行えば、『俺の手柄』だと胸を張って、矛を収めますよ」

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