経済の死角

加速する「グーグルグラスの業務活用」---10億円調達のスタートアップ企業も出現

2014年09月23日(火) 上田裕資
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〔PHOTO〕gettyimages

次世代のウェアラブルデバイスとして注目が高まるグーグルグラス。日本では依然、未発売のこのデバイスだが、米国や英国ではすでにさまざまな分野でその業務利用が始動している。ベンチャーキャピタルから1,000万ドル(約10億円)規模の出資を受けるスタートアップ企業も現れた。

今年6月にはGoogleがそのビジネス向けの利用を推進する公式パートナー「Glass at Work」に米国企業5社を選出。その流れはさらに加速している。この連載では全4回の予定で、その代表的な活用事例を紹介していきたい。

出典:Augmedix

医療分野:Augmedix

「2012年の夏に初めてグーグルグラスに触れ、雷に打たれたような衝撃を受けた」とのエピソードを語るのは、Augmedix社代表のイアン・シャキル氏。イアン氏は当時、スタンフォード大学のビジネススクールを卒業し、医療関連のデータを扱う企業に職を得たばかりだったが、即座に自ら起業することを決断。「世界初のグーグルグラスに特化したスタートアップ企業」として同社を設立した。

Augmedixが提供するサービスは医師たちがハンズフリーで診察記録を残せるというもの。「データの洪水のなかで溺れかけている医師たちに、より患者と向き合える環境を整備すること」を使命とする同社のシステムは、全米に40ヵ所の病院を展開する医療法人Dignityh Health社の診療現場に採用された。

グーグルグラスを着用した医師が専用アプリを立ち上げ、診療をおこなうと音声やビジュアルデータがその場で患者の医療データとして記録されるというシステムだ。

これにより医師がEHR(電子医療記録)入力にかかる時間を大幅に削減することに成功。患者との対話に充てる時間を従来の倍に伸ばすという成果を生み出した。

Augmedix社は同じく医療分野におけるグーグルグラス活用で知られるWearable Intelligence社と並び、6月にGlass at Workに選出。今年3月にベンチャーキャピタルから320万ドルの資金調達したことに続き、6月にはさらに730万ドルを調達した。

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