トーマス・フリードマン「オバマ大統領に聞く『イラク、プーチン、イスラエル』」
オバマ大統領は国内外の広範囲にわたる問題について、ニューヨークタイムス特集記事のコラムニストであるトーマス L. フリードマンのインタビューを受けた。(By Leslye Davis, A.J. Chavar, Abe Sater and David Frank on Publish Date August 9, 2014. Image CreditPhotograph by Doug Mills/The New York Times)対談の動画はこちら

アメリカを弱体化させる脅威はアメリカ自身である

最近オバマ大統領の白髪は確実に増えているが、ますます混乱を極める世界の外交政策を何とかしようとしていることが、少なくとも白髪の半分の原因となっていることは明らかだ。(ティーパーティーが、残りの半分は自分たちのせいだと主張できよう)。しかし、8月8日午後に1時間、大統領とホワイトハウスのマップルームで世界情勢を概観し、大統領が世界についてひとつの見解をもち、過去6年間に多くの教訓を学び、彼の外交政策を批評するすべての者に対し、しっかりとした答えをもっていることがはっきりした。

中東などの地域において、オバマ大統領は、その地域の様々なコミュニティが、特定の勝者や敗者を生まない、すべてを包含する政治に同意する限りにおいてのみ、アメリカをより深く関与させる意向であることを明言した。アメリカは、イラクのシーア派をはじめとする、いかなる派閥の空軍ともならない。さらに、西側の制裁にもかかわらずロシアのウラジミール・プーチン大統領がいつ何時にもウクライナに「侵攻しかねない」状態であると警告し、もしそうなれば、「私の残りの任期中に、ロシアとの関係を元のような協調的で機能的なものに戻す道を模索することは、はるかに難しくなるだろう」と語った。

オバマ大統領は、大量殺戮を阻止するためにリビアに介入したことは正しかったとしながらも、リビアがより民主的な政治へと移行する過程を地上で管理するために、充分なフォローアップをせずに実行したことについては、おそらく、自分の外交政策においてもっとも後悔するだろうと語った。

結局のところ、アメリカの最大の脅威、そしてこの国を真に弱体化させる唯一の威力は、自分たち自身なのだと大統領は思慮深く語った。現在、エネルギー源から経済成長に向けたイノベーションに至るまで、国家としてのアメリカには多くのことが起こっている。しかし、アメリカのふたつの政党が、今、われわれがシーア派、スンニ派、クルド人、イスラエル人、そしてパレスチナ人に求めていることと同じ態度、すなわち勝者や敗者を生まず、ともに努力するという態度をもたない限り、この国の可能性をフルに発揮させることはできないだろうと語る。

オバマ大統領は、「この国の政治は機能していない」と指摘し、中東での恐るべき分裂を「政治的派閥が妥協せず最大限の要求をすれば、社会は機能しない。そして国の分裂が激しくなればなるほど、最大の利益を実現する地位を得られなくなるという警告」として注意深く見守るべきだとする。

オバマ大統領は、多くの妥協案の可能性を抹消したことに対し、共和党極右派の台頭を非難する一方で、勝手な選挙区改定、ニュースメディアのバルカン化(少数乱立)、今日のアメリカの政治システムの実質となっている、やりたい放題の政治資金などが、どんな国外の敵よりも、われわれが重大な課題にともに取り組む力を大きく阻害しているとし、「政治家は、これまで以上に、もっとも極端な形で非妥協的に最大限の要求をすることで得をするようになっている。そして遅かれ早かれ、皆がそういう立場に置かれるようになりつつある」と指摘する。

非宗教派の反政府勢力による武装はありえない

私はまず、元国務長官のディーン・アチソンがかつて書いたように、アチソンが第二次世界大戦後の秩序の「形成に立ち会った」のであれば、オバマは「分裂崩壊」に立ち会っていると感じているのかどうか尋ねてみた。