糸井重里×安西洋之【第2回】「グローバリズムと言わなくても、"普通の人"に会いに、メジャーリーガー級の人が来てくれる場所」
安西洋之氏と糸井重里氏
世界規模で面白い中小・ベンチャー企業を取材した『世界の伸びている中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』。ミラノと東京を拠点にビジネスをする著者・安西洋之さんと日本で海外からのお客さんを受け入れている糸井重里さん。お二人の対談、第2回目は、日本と世界、グローバリズムについてのお話---。(構成/崎谷実穂)

 日本の普通の人代表、東京糸井重里事務所

安西洋之(以下、安西) 糸井さんは「グローバリゼーション」という言葉が似合いませんよね(笑)。

糸井重里(以下、糸井) その意識、ないですね(笑)。

安西 そこが糸井さんの強さだと思います。

糸井 そりゃ、外国のめずらしい人たちと会えるのはうれしいですよ。特に篠田さんが来てからは、僕の話すことを、僕の意図を組んで補足までして通訳してくれるので、助かります。そうして話すと、向こうも「その考え、おもしろいかも」と言ってくれて、さらに話がはずむ。それは楽しいですよね。

安西 私も著書の中で紹介しているHubspotという会社を訪問したときの連載に、動画が公開されていますよね。それを見て、糸井さんは篠田さんを介してこういうふうにコミュニケーションしているのか、とわかっておもしろかったです。

糸井 来日するすごい人は、「日本の普通のお客さんに会いたい」という意図があるんですね。そういう場合は、ほぼ日に来るのがいいと思うんです。僕らは、普通の人だから。そうしてここは、グローバリズムなんてわざわざ言わなくても、メジャーリーガー級の人が次々と来てくれるおもしろい場所になりました。

安西 糸井事務所は、日本の普通の人代表、なんですね。

糸井 『ワーク・シフト』『未来企業』という本を書かれた、ロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットンさん(※対談記事はこちらから)も、「私たち、双子なんじゃないかしら!」と盛り上がってくれましたねえ。全く違うところで生まれて、違う育ちをしているのに、同じ考えにたどり着く。こういうとき、その考えはどこから仕入れたんだろう?って不思議に思います(笑)。

安西 双子(笑)。それはすごく意気投合したんですね。

糸井 安西さんのお書きになっていることもそうなんですけど、どう考えても筋道は違うのに、一緒のところにたどりつくということに、すごく興味があるんです。

安西 それはほとんどの人が、共通する要素を60や70%は持っている、ということなんじゃないでしょうか。

糸井 本当はそうなんでしょうね。僕はよく、「奈良時代の人にもわかるようなことを言ってるんだ」と言うのですが、その共通の部分を頼りにしていれば、たぶん合うんです。あとは、捨てることのできる人は、話ができるなと思います。

安西 捨てることのできる人ですか。

糸井 積み重ねて、鎧をまとって自分を偉く見せてきた人とは、合わないですよね。蓄積を誇る人との対話は、やっぱりつらいです。