田端信太郎さん【後編】 「受け手を強権的に動かそうとしない『ポスト広告枠時代』で生き残るには?」
『広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。』著者に聞く
『広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。』共著者の田端信太郎さん
カリスマファンドマネジャー・藤野英人氏が注目の新刊の著者と対談し、企画と執筆の裏側に切り込む新連載、第2弾は『広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。』共著者である、LINE株式会社上級執行役員の田端信太郎氏。このタイトルに込められた意味、そして、これからの広告やメディアのあるべき姿とは? 本書同様にざっくばらんに話していただきました。<構成・田中裕子>

【前編】はこちらをご覧ください。

「握手」ひとつで人は動く?

藤野 直販投信の場合、営業マンもいないので全国でセミナーを開催して、さらにブログやFacebookで情報発信するしか新規のお客様を獲得する方法はありません。・・・けれど、僕、気づいてしまったんです。セミナー後の口座開設率に影響している重大な要素に。

田端 え、なんですか?

藤野 僕の説明の良し悪しでも質問の数でもなく、最後、お客様に出口でご挨拶するかどうか、なんです。

田端 えーっ、面白い! ドブ板の選挙みたいですね(笑)。

藤野 誠意が伝わるんでしょうか。ウソみたいですが、本当なんですよ。

田端 選挙といえば、大前研一さんの『敗戦記』という本があるんです。彼は都知事選に出て落選しているんです。その経緯を淡々と書いているのにものすごく面白い本なんですが、その中で、盟友の加山雄三さんに「お前は大衆というものがわかっていない」と諭されるシーンがあって印象深い。

大前さんは握手とかを軽んじるタイプだったんです、きっと。頭がいいから。堀江貴文さんも選挙に出たとき最初は「握手なんて関係なくね?」というスタンスを取ったりするのかな? と私は勝手に思ってましたが、結局、握手に応じまくっていたように記憶しています。握手という物理的な接触が、有権者にとって重要な要素だし、票を得るにあたっても効果的だと気づいたんだと思います。

広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。』
著者= 本田哲也、田端信太郎
ディスカヴァー・トゥエンティワン / 定価1,620円(税込み)

◎内容紹介◎

企業発信の情報よりも、売るための世論=空気をつくることが大事と説く『戦略PR』の著者・本田哲也氏と、数々のメディア立上げに携わり、現在大ブレイク中のLINE仕掛人としても知られる田端信太郎氏がタッグを結成。大々的な広告キャンペーンやメディア展開をせずに人を動かすことに成功した事例を、1000人、1万人、10万人、100万人、1000万人、1億人、10億人と、スケールごとに分析。そのヒットの秘密を探っていきます。!

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藤野 政治を任せる側、ひふみ投信で言うとお金を託す側からすると、大事なことなんですよね。作り上げられたものではなく、リアルな物語が見えるということが。

田端 そうですね。僕も以前、藤野さんとお会いしたあと、ひふみ投信を購入しましたもん。あと、ライフネット生命に加入したのも、岩瀬大輔さんとお会いしたあとでした(笑)。目に見えないものだから顔を見ることで安心できる、というのはありますよね。10万人くらいまでは「握手で人は動く」かもしれません!

藤野 大前さんの話じゃないですが、優秀な人ははじめ必ず「政策で勝負すべき」と言います。けれど、自分の名前を連呼して握手をして回るほうが、実は合理的なんです。

田端 僕も、ものすごいハードに値下げ交渉をされて、むっとした後でも、「すみませんが、どうかよろしくお願いします」と握手されると「あれ、悪い人じゃないかもな」と思いますから(笑)。

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