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二宮清純「史上最年長勝利・山本昌が“クビを覚悟した日”」

2014年09月19日(金) 二宮 清純
モイヤーの勝利記録(49歳151日)の更新も見えてきた

 さる9月5日、本拠地ナゴヤドームでの阪神戦で中日・山本昌投手が今季初勝利を挙げました。49歳25日での白星は浜崎真二さんが1950年5月に記録した48歳4カ月の最年長勝利記録を64年ぶりに塗り替えるものでした。

 周知のように山本投手、鳴り物入りでプロ入りしたわけではありません。ドラフトは5位指名でした。プロ初勝利を挙げるまでには4年もかかっています。

 本人によれば、クビを覚悟したことも一度や二度ではないそうです。よく「ライバルが人を育てる」と言いますが、ライバルの存在が山本投手の負けん気に火をつけ、成長を支えた大きな原動力なったと言えるかもしれません。

 プロ入りした際の最大のライバルは3位指名で入団した横浜商高のエース・三浦将明さんでした。日大藤沢出身の山本投手とは旧知の仲で、早くから互いを意識し合う関係でした。「アイツだけには負けたくない」。山本投手は、いつもそう思っていたそうです。

 しかし、指名順位に表れているように球団の評価は山本投手よりも三浦さんの方が上でした。山本投手が一度も甲子園に出場したことがないのに対し、三浦さんは高3の春と夏の甲子園でチームを連続準優勝に導いています。大きくタテに割れるカーブを主武器にしていました。

 若き日、2人は名古屋の夜の街にもよく繰り出しました。ライバルでありながら、心を許し合える友達でもありました。

 以前、三浦さんから、こんなエピソードを聞いたことがあります。
「山本は付き合いがよく、同年代の仲間たちからも慕われていた。ただ、飲みに出かけてもちょっと遅くなると“オレ、帰るわ”と言って先に帰るんです。遊んでいても、絶対に一線は越えませんでした」

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