全国に感染者が拡大中!「デング熱」大感染 まだまだ終わらない

2014年09月20日(土) 週刊現代

週刊現代賢者の知恵

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一人の感染者を多数の蚊が刺し、そこで感染した蚊が多数の人間を刺す……すると、あっという間に感染は拡大する。

「蚊の寿命は、1ヵ月程度と言われていますが、1度ウイルスに感染した蚊は、一生ウイルスを持ち続けます」(前出・森田氏)

人間の血液を吸うのはメスの蚊だけだが、4日に1度、4~5回刺すサイクルを繰り返すと言われる。1匹の蚊は、生涯で40回程度、人を刺し、ウイルスをまき散らしているというわけだ。また、ヒトスジシマカは成虫では越冬しないが、「ウイルスを持った蚊が産んだ卵に感染することもまれにある」(森田氏)という。年を越しても感染が続く可能性も否定できない。

重症化すれば死ぬことも

さらに、現在、国内で発覚した感染者は軽症ですんでいるが、冒頭で体験談を述べた2人のような重症患者が、今後増えてくるかもしれない。

「病気の鑑別ができないまま、高熱が続いて体力が低下すると、『デング出血熱』という重篤な症状になる危険があります」(がん・感染症センター都立駒込病院名誉院長の森武生医師)

今回の流行は、最初の感染者を診た医師が、過去にデング熱患者を診察した経験があったことが幸いし、正確な診断が下された。ただ、初期症状は風邪やインフルエンザと変わらないため、自己申告しなければ見過ごされることが多く、そうなれば重症化してしまう。

「デング出血熱になると、血液の成分(血漿)が血管から染み出していく。大量に起こると、ショック状態に陥ったり、末梢血管で血液が凝固し、血液中から凝固成分が無くなって血が固まらなくなるのです。放置すると、10~20%の人が亡くなってしまう。

とくに注意が必要なのは、2回目に感染した場合。感染すると免疫ができますが、デングウイルスは4つの型があるので、生涯に4回は感染する可能性があります。軽い症状で済んでいて風邪だと思っていた人が再度かかると、デング出血熱になる確率が高まります」(前出・森田医師)

代々木公園やその周辺にいる蚊を全滅させることは、不可能に等しい。前出の宮城氏はこう指摘する。

「ヒトスジシマカは、空き缶や古タイヤの内側などに溜まった少しの水があれば産卵できますし、たとえ乾燥して水がなくなっても、卵は1~2ヵ月は生き続ける。蚊は1度に100~200個程度、生涯で4~5回は卵を産みます。現在、温暖化に伴って東北まで生息域が広がっていますし、人間の近くに生息する蚊の中でもっとも強力なのです」

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