あなたの周りにもいるかもしれないちょっと「?」な医者の見分け方---年間2万人が訪れるERを率いる医師が教える 医師でも間違える病気・ケガ・薬の新常識(4)

医者が見てもちょっと『?』な診療をしている医者がいます。決して能力が劣っているわけではないですが、標準的治療の教育を受ける機会が無かった、時代の流れに乗れず自己流に走ってしまったなどいろいろな理由があると思われます(でもそんな言い訳は、ホントはダメなんですけどね)。

医学は常に流動的で、十年一昔だったものが、5年で治療法が変わってしまうこともざらではありません。また、最新の情報が英語で入ってきます。

さてあなたの身近にちょっと『?』な医者はいないでしょうか? そんな医者の見分け方をこっそり教えましょう。

無愛想な医者はちょっと「?」な医者なわけ

いい診断のためには、いい問診が取れないといけません。患者がすわった途端、医者から威圧感がにじみ出ていると、どうしても細かい話ができなくなってしまうのは困りもの。コミュニケーション術は何よりも臨床医として重要なものです。

○ 顔を見ないで話す。パソコンばかり見て話す。体に触れて診察しない
○ 質問すると怒る。不機嫌になる。セカンドオピニオンなんて怖くて聞けない
○ 医学用語の羅列で、イマイチ外国語のように聞こえてしまう。

コミュニケーションの基本ができていないのは、診断能力はイマイチ。検査主体に診断していくタイプかもしれません。病は気や生活習慣、仕事場やいろんな人間関係からでるものです。いろんな話を聞くオープンさが医者にも必要です。

質問されて怒る医者は、「信用していないのか!」と自分が一番偉いと思い込んでいるプライド高慢ちきタイプの医者です。自分がわからないことを聞かれたら、怒ってその場をうやむやにしているだけです。謙虚さが無い医者は勉強不足の典型です。

医学的に「?」な医者の見分け方

困ったことに「愛想」だけはいい医者と言うのもいます。実によどみなく話を進めますが、やっていることは結構、標準から外れて時代遅れのトホホな医者もいます。
医学の内容から予想するのは患者さんには無理かもしれないですね。でもこれくらい露骨ならちょっと「?」とわかるかもしれません。

○診察室に入るなり、診断を出してしまう
もちろん一発診断というのはあります。でも多くの場合、医学は確率論です。同じような症状で様々な疾患があるので、ひとつずつ調べていくのが王道。

いつも一発診断で絶対間違いないと自信過剰な医者は、どこかで誤診しているもの。常にビクビクしつつ細心の注意を払う方が医者として信頼がおけます。

○「あ、風邪ですね。では抗生物質を出しておきましょう」
「あ、風邪ですね。まぁ予防的に抗生物質を出しておきましょう」
風邪と言えば、ウィルスですから抗生物質は効きません。むしろ体の中のいい細菌も殺してしまい、かつ抗生物質の効きにくい性質の悪い細菌が生えやすくなってしまい、弱り目に祟り目になってしまうのです。風邪をこじらせないように予防的抗生物質の効果はまったく認められていません。きちんと細菌感染を疑ってから処方すべきです。

○「それは今流行の胃腸炎ですから、抗生物質を出しておきましょう」
嘔気、嘔吐、水様下痢の三拍子の揃った胃腸炎は、ノロやロタといったウイルスで感染力が強くすぐ流行してしまう。胃が動かなくなるため嘔気や嘔吐が激しいのが特徴。

ウイルス性胃腸炎なら抗生剤は不要であり、むしろダメ。恐いサルモネラやO157に代表される大腸菌なら、胃への影響はほとんどないため嘔気や嘔吐はあまりないのが特徴で、胃腸炎ではなく腸炎と言うはずです。流行の胃腸炎と診断しておきながら、抗生物質処方と言うのはかなりいけてない医師です。

○喘息の治療で飲み薬だけ処方する
喘息の治療は吸入薬が基本中の基本。それでコントロールできない場合に、飲み薬が出ることがあります。喘息治療で飲み薬だけの場合はちょっと「?」な医者です。