[プロ野球]
ロッテ・金森敬之「投げられる喜びを力に」

アイランドリーグ出身選手たちは今 2014年Vol.3

ファーム優勝に貢献

2軍の首脳陣は金森について「カーブで緩急もつけられるし、決め球のフォークもある。コントロールが安定すれば1軍の戦力になる」とみている。

 9月15日、千葉ロッテ2軍は2年ぶりのイースタンリーグ優勝を収めた。優勝を決めた埼玉西武戦、4-4の同点で迎えた7回からマウンドに上がったのが、今季、アイランドリーグ愛媛からNPB復帰した金森敬之だった。

 走者を背負いながらも2回を2安打無失点。その間にロッテが1点を勝ち越し、これが決勝点となった。リーグ制覇を果たした試合での勝利投手。2年ぶりのNPB所属となった今季、金森は2軍でリリーフとしてチームで2番目に多い37試合に登板し、3勝3敗7セーブ、防御率2.54の成績を残している。シーズン当初は育成選手としての契約だったが、その働きぶりが認められ、6月には支配下登録された。1軍でも10試合で投げた。

「シーズン後半に向けて、徐々に調子が上がってきた感覚がありますね」

 本人も北海道日本ハム時代の感覚を徐々に取り戻しつつある。東海大菅生高から日本ハム入りした金森は、かつては1軍でセットアッパーも任された実績を持つ。2009年の東北楽天とのクライマックスシリーズ第2ステージでは、第2戦に3-1とリードした8回、無死満塁の大ピンチでマウンドへ。後続をピシャリと断って、チームの勝利に貢献した。日本シリーズ進出が決定した第4戦でも7回途中からマウンドに上がり、クローザーの武田久へバトンをつないだ。

 ところが、順風満帆に映った野球人生は故障で暗転する。11年以降、金森の名前は1軍から消えた。右ヒジを痛め、12年の3月には内側側副靱帯の再腱手術を受ける。診断は全治10カ月。1年を棒に振り、翌シーズンの復帰を目指していたオフ、戦力外通告を突きつけられた。

「このままでは終われない。投げられる状態で、もう1回チャレンジしたかったんです」

 アピールの場として選択したのがアイランドリーグだった。妻と2人の子供とともに愛媛に引っ越し、貯金を切り崩して生活しながら1年での復活に賭けた。夏の段階では「状態は8割。もう一押しの部分がうまくいかない」ともどかしさを口にしていたものの、シーズン終盤にかけて、ひじの不安もなくなり、納得いくボールが投げられるようになってきた。