カイジ「どん底からはいあがる」生き方の話
【第10回】すべては自分の判断、自分の責任である


漫画『賭博黙示録 カイジ』とは?

自堕落な日々を過ごす主人公、伊藤開司(いとう・かいじ)。そのカイジが多額の借金を抱えたことをきっかけに「帝愛グループ」をはじめとする黒幕との戦いに挑んでいく大人気漫画。命がけのギャンブルを通じて、勝負師としての才能を発揮するカイジだが、その運命は果たして・・・。

(作者:福本伸行 講談社『週刊ヤングマガジン』で1996年11月号~1999年36号まで連載された作品)


【第9回】はこちらをご覧ください。

Mind your own business!

英語で、「大きなお世話」を“Mind your own business”という表現します。直訳すると、「あなた自身の事を気にかけなさい」となります(businessには仕事という意味のほかに、事柄という意味があります)。

まさにその通りではないでしょうか。多くの人が、自分にまったく関係がないことに一生懸命“気にかけて”います。ツイッターや2ちゃんねるで一生懸命他人を批判しています。

まるでエスポワール号の中で、利根川に向かって野次を飛ばしていた男たちのようです。利根川がネットに批判を書き込んでいる人を見たら、また「ぶち殺すぞ、ゴミめら」と言うのではないでしょうか。

最近、「俺にも一言いわせろ症候群」が増えているように思います。何か世間で気に入らないことがあると、すぐにクレームを入れたり、止めさせるように騒いだりします。これは、デモやロビー活動とは違います。

デモ・ロビー活動では、通常、自分の利害に関係していることしか行いません。直接的に自分には関係がなくても、自分たちの子どもの世代に悪影響がある、自分たちが住んでいる地球環境にダメージがあるなど、何らかの形で「当時者」となる人たちが声を挙げます。しかし最近は、まったく利害関係がない人たちが「とりあえず気に入らないから止めろ」と騒ぐケースが多いのです。

まるで自分が決済者にでもなったかのようにふるまい、「俺にも一言いわせろ!」という態度で、自分の正義を振りかざしています。

これは、自分にも言う権利がある、主張する権利があるという発想が基になっています。そしてそこには、「自分も相手も、同じレベルの人間」という「平等観」があります。たとえば、上司が出した案には何も言えなくても、それが同僚が出した案だったら、全力でダメ出しをします。相手が自分と対等、もしくは自分より下だから物申せるのです。

世の中には、いろいろな人がいます。ぼくらも日々いろいろなものや情報を目にします。その中には、自分の考えと違うものも多々あるでしょう。気分を害することもあるでしょう。でも、だからといって、「やめろ!」という権利はありません。嫌だったら自分が無視すればいいだけのことです。

もし、見知らぬ人から「俺はおまえが気に入らないから、すぐやめろ!」と言われたらどう思うでしょうか? だれだって「おまえには関係ないだろ!?」と思うのではないでしょうか?

その通りです。その人には関係がないことなのです。その人は、「自分には関係がないこと」を一生懸命批判し、一生懸命時間とエネルギーを使って貶めようとしているのです。

このように「外野」が騒ぐのは、脅迫やテロと一緒です。「自分たちの主張を聞け!」と声高々に叫ぶ行為です。騒いでいる側からすれば、自分たちの主張を通そうと躍起です。しかし、その主張によって、曲げられる主張があることを忘れてはいけません。

ですが、「なぜ、あなたの主張が100%正しく、相手の主張が100%間違っていると言えるのですか?」という質問をしたら、答えられるでしょうか?

遠藤が最初にカイジのところに来た時、カイジは保証人として借金を返済することを拒みました。

「だって払えないもん・・ だって・・・」

そんなカイジに遠藤はこう言います。

「“だって だって”って、・・・・っていうか、おまえの言うことなんて誰も聞いてねぇんだよ」

そんな余裕がある人は、少ないはずです。人生はあっという間に過ぎ去ってしまいます。そんな無駄なことをしている時間はありません。自分にまったく関係がない、しかも自分が気にかける必要がまったくないことに、貴重な時間を割いている場合ではありません。

自分の人生を変えようとしているのに、他人の行動にチャチャを入れている暇はないのです。

Mind your own business!

自分に関係があることに集中するべきです。

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