サッカー
二宮寿朗「“38歳のストライカー”盛田剛平の言葉」

白髪交じりのヒーローがもたらした勝利

 先週の土曜日(9月13日)、甲府の小瀬にある山梨中銀スタジアムで行なわれたJリーグ第23節、ヴァンフォーレ甲府―サガン鳥栖戦を取材した。ともに財政規模の小さい地方クラブではあるが、置かれている状況はまるで違う。残り12試合、電撃の監督交代というニュースはあったにせよ、2位に食い込む鳥栖とは対照的に、甲府は15位と厳しい戦いが続く。J1に昇格した昨年と同じように、残留争いに巻き込まれている(16~18位がJ2へ自動降格)。

 甲府の戦力不足は明らかで、城福浩監督が何とかやりくりしながら勝ち点を上積みしているのが実情だ。昨オフ、一度戦力外にしながら再契約に至った38歳のディフェンダー、盛田剛平をフォワードに再コンバートして起用していることからも、その苦しい“台所事情”がうかがえる。

 だが、この盛田の一発がチームに9試合ぶりの勝利をもたらした。
 0-0で迎えた後半8分、右コーナーキック。相手がヘディングでクリアを試みてコースが変わったところに、頭で合わせてゴールを奪った。これが決勝点となった。

「前の選手に当たって、咄嗟に(出した頭に)当たった感じですけど、日ごろ首を鍛えるトレーニングをしているんで、その成果が出たかなと(笑)。そのトレーニングは、結構キツイんですよ。これも(フィジカルコーチの)谷さんのおかげです」
 白髪交じりのヒーローは、そう言って照れ笑いを浮かべた。