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巻頭特集 第1部 日本経済に大異変!景気急降下、再びデフレへ 安倍総理とヘタレ大臣たち この内閣でニッポンの危機を救えるのか
第一次安倍政権では'07年8月の内閣改造直後、安倍総理は体調不良で辞任を表明している〔PHOTO〕gettyimages

「日本はデフレから脱却しつつある」—繰り返されるこの言葉を、もう信じることはできない。延命と保身のためだけの内閣改造に何の意味があったのか。総理の目には、もはや国民は映っていない。

あらゆる数値がマイナスに

「安倍総理は、今回の内閣改造で、邪魔者排除や利権配分など『いかに自分が得をするか』しか考えなかった。ついでに支持率と株価も上がれば一石三鳥ということだったのでしょう。しかし、改造後も株価は横ばいで、世間には期待外れムードが漂っている。国民は、これが所詮『安倍総理が自分のためにやった改造』だと気付いているんです」(自民党閣僚経験者)

これまで1年8ヵ月にわたり、「景気は確実によくなっている」と繰り返しながら騙し騙し継続してきたアベノミクス。しかし、安倍総理が9月3日に行った内閣改造の「失敗」は、このアベノミクスがついに破綻し、日本経済が再び奈落の底へと転がり落ちるきっかけとなるかもしれない。小手先の閣僚人事など、待ち受ける日本経済の大混乱には、何ら効果がないのだ。

事実、ここにきてあらゆる経済指標が急降下を始めている。まずは不動産売買の落ち込みである。4月の消費税増税を前に、今年1~3月期には、住宅・マンション・不動産など大口の駆け込み需要が急増した。しかしその後はぱったりと止み、4~6月の商業不動産投資額も前年同期比マイナス15%と大幅に減っていることが分かった。

「家やマンションを買うと、家具や身の回り品を揃えるため、一軒あたりおよそ150万円前後の追加需要も発生します。これらが4月以降は丸ごと消えてしまっているのですから、そう簡単に消費は回復するはずがありません」(アセットベストパートナーズ・中原圭介氏)

企業の活動も、もはや「伸び悩み」「横ばい」といった段階を通り越して、退潮を始めた。8月末に発表された今年7月期の自動車生産台数は11ヵ月ぶりに減少に転じ、前年同月比で2・2%減。政府や大新聞が「順調に伸びている」と吹聴してきた製造業の設備投資額も、7~9月期は前期比7%減という大幅な落ち込みが予測されている。

今年4~6月期のGDPが、年率換算で6・8%もの急落を見せたことも記憶に新しい。こうした不都合な事実が判明してからも、安倍総理をはじめ政府、日銀、そして財界トップは「想定内」「7~9月期には消費が上向くから問題ない」と口を揃えている。

しかし彼らは、希望的観測を自らに言い聞かせているにすぎない。全国紙経済部記者が言う。

「金融緩和でカネをジャブジャブに増やせば、円安が進み輸出が増える。そうすれば企業の設備投資が増え、企業活動は活性化する。一般家庭にもカネが回るようになり、景気は上向く—そもそも、アベノミクスが拠って立つこの見立て自体が仮説にすぎません。

長期金利が低下すると、企業が設備投資するようになるという考え方も短絡的。商品が売れる見込みもないのに、無駄な設備投資をする企業なんてありません。経済理論上は正しくても、現実は甘くない」

さらに、内閣府が発表する消費総合指数によると、4~6月期の民間消費は前期比マイナス5・2%の大幅減。この数値は今後さらに下方修正される見通しだ。

「円安が進むことで輸入品の価格もどんどん上昇している。食品やガソリンの値段が上がると、物価高を真っ先に実感するのは地方在住の人々や家計を預かる主婦たちです。

例えば栃木県では、物価の上昇と相まって7・1%も実質賃金が下がっている。東京に住む大企業の社員の賃金が多少上がり、百貨店の売り上げが多少増えたくらいでは、地方の消費の落ち込みを補うのは不可能です」(前出・中原氏)

東京短資チーフエコノミストの加藤出氏も言う。

「この先、消費税10%への再増税に踏み切り、日銀の掲げる年率2%のインフレ目標が達成されれば、実質賃金の低下分を勘案すると、再来年には安倍政権発足前に比べて約9%も物価が上がる計算になります。

アベノミクスの開始以降、賃金上昇率が最高水準だったIT技術者の収入でさえ前年比約8%増ですから、賃金の増加分は物価上昇に打ち消される可能性がある。医療・介護分野ではマイナス1・3%と、むしろアベノミクスによって名目賃金まで下がっている。実質賃金は単純計算で1割以上も減るかもしれません」

'03年から'08年にかけて日銀総裁を務めた福井俊彦氏は、在任中の'06年夏に、

「デフレに逆戻りするリスクはほぼ解消している」

と宣言し、ゼロ金利政策などの量的金融緩和を停止した。福井総裁の見立てが誤っていたことは、その後の歴史が証明している。そして今、安倍総理も日銀の黒田総裁も「日本はデフレから脱却しつつある」と言い張り、同じ愚を犯そうとしているのだ。

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