狂気の集団の中では正気を保つ人間が狂人になる---歪んだ言葉を正常に戻す、B層社会への抵抗【第2回】
適菜収著『日本をダメにしたB層用語辞典』より

【第1回】はこちらをご覧ください。

定義 B層とはなにか?

B層とは、大衆社会の成れの果てに出現した、今の時代を象徴するような愚民です。「マスコミ報道に流されやすい『比較的』IQ(知能指数)が低い人たち」です。

これは私の造語ではありません。

B層は、2005年9月のいわゆる郵政選挙の際、自民党が広告会社に作成させた企画書「郵政民営化・合意形成コミュニケーション戦略(案)」に登場する概念です。

この企画書では、国民をA層、B層、C層、D層に分類して、「構造改革に肯定的でかつIQが低い層」「具体的なことはよくわからないが小泉純一郎のキャラクターを支持する層」をB層と規定しています。

郵政選挙では、このB層に向けて「改革なくして成長なし」「聖域なき構造改革」といった小泉のワンフレーズ・ポリティクスが集中的にぶつけられました。

「郵政民営化に賛成か反対か」
「改革派か抵抗勢力か」

このように問題を極度に単純化することにより、普段モノを考えていない人々の票を集めたわけです。小泉自民党はマーケティングの手法を駆使することで圧勝しましたが、これは全体主義政権下で確立された手法でもあります。

大衆は気分で動きます。そこで短いセンテンスを繰り返すことにより、気分を盛り上げていく。

また、小泉は靖国神社を利用し、B層のルサンチマンやナショナリズムを吸収して勢力を伸ばしました。

日本をダメにしたB層用語辞典』
著者= 適菜 収
講談社 / 定価1,296円(税込み)

◎内容紹介◎

「B層」をキーワードに社会批評を展開している哲学者・適菜収の最新作は、社会現象化した人物、場所、流行に辛辣な解説を加えたいわば現代日本版の「悪魔の辞典」。【安倍晋三】【アンダー・コントロール】【おばさん外交】【構造改革特区制度】【コメンテーター】【多数決】【食べ放題】【男女共同参画社会】【抵抗勢力】【投書欄】【反中・反韓ブーム】【秘伝の味】【ミシュランで星】など厳選した295語には、現代文明の淀みが浮き彫りにされ、思わずクスッと笑ってしまうこと必定です。

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