狂気の集団の中では正気を保つ人間が狂人になる---歪んだ言葉を正常に戻す、B層社会への抵抗【第1回】
適菜収著『日本をダメにしたB層用語辞典』より

はじめに

狂気の集団の中では正気を保つ人間が狂人になる

世の中がますますおかしくなっています。嘘、デマ、虚言が日常的に社会に垂れ流されています。

現在、わが国はきわめて危険な方向に突き進みつつある。その最大の兆候が、言葉の混乱です。

本来の意味を失い、捻じ曲げられ、正反対の意味で使われるようになった言葉が、腐臭を放っている。

たとえば、「保守」という言葉について考えてみましょう。

この20年にわたり、わが国で急進的改革を唱えてきたのは、「保守」を名乗る連中でした。

皇室を侮辱し続けてきた石原慎太郎という男が「真正保守」を名乗る集団のトップに君臨し、「もはや国境や国籍にこだわる時代は過ぎ去りました」と言うグローバリストの安倍晋三が「保守派」に支持されるという奇妙な現象が発生しているのが現在です。

大阪では民意の名の下に民意に背く出直し市長選が行われ、平気な顔で嘘をつくアナーキストが再選された。

「戦後レジームからの脱却」を合い言葉に「戦後レジームの固定化」が図られ、「売国」を「愛国」と言い替え、「保守派」が黄色い声援を送る。
議会の軽視を「民意の尊重」と言い替え、愚民を煽動する。
三権分立の破壊を「政府主導」と言い替え、行政を支配する。
「司法を身近に」というスローガンの下、人民裁判を復活させる。

こうした社会が招くのが全体主義です。というより、今の日本は全体主義的状況にすでに突入しています。

日本をダメにしたB層用語辞典』
著者= 適菜 収
講談社 / 定価1,296円(税込み)

◎内容紹介◎

「B層」をキーワードに社会批評を展開している哲学者・適菜収の最新作は、社会現象化した人物、場所、流行に辛辣な解説を加えたいわば現代日本版の「悪魔の辞典」。【安倍晋三】【アンダー・コントロール】【おばさん外交】【構造改革特区制度】【コメンテーター】【多数決】【食べ放題】【男女共同参画社会】【抵抗勢力】【投書欄】【反中・反韓ブーム】【秘伝の味】【ミシュランで星】など厳選した295語には、現代文明の淀みが浮き彫りにされ、思わずクスッと笑ってしまうこと必定です。

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