経済の死角

「芸能界と暴力団」第1部 本当のことを書いたら、事務所をクビになりました なべおさみ×森功「私が出会ったヤクザたち」

2014年09月18日(木) 週刊現代
週刊現代
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ヤクザは芸能界をシノギの場にしてきた。美空ひばり、鶴田浩二をはじめ、大物芸能人のバックにはヤクザがいるのが当然だった。蜜月は、時代が移り、法律が厳しくなっても、形を変えて続いている。

芸能とヤクザは表裏一体

森 8月28日、覚醒剤で逮捕された歌手のASKA被告の初公判が開かれ、被告は起訴内容を認めました。ASKAにクスリを売っていたのは、住吉会系の暴力団員でした。

なべ クスリを必要とするような人間が、芸能界には少なからずいます。そこで、ヤクザが目をつけるわけです。芸能人には高く売れますからね。

森 三代目の田岡一雄組長以降、山口組はシノギとして覚醒剤を取り扱うことを禁止していますが、実際は末端のヤクザがカネのために手を出している。しかも、ASKAはクスリを買って、挙げ句、ヤクザに脅されていました。

なべ 芸能人の中にはヤクザからクスリを買ったり、トラブルの際の解決役として利用する人もいますが、そういう芸能人は愚劣ですよ。僕はこれまで多くのヤクザと出会ってきました。でも、ヤクザの友人がいることを笠に着たり、利用したことなんて一度もない。人として好きだから付き合うだけ。

森 最近は、「半グレ」とよばれる新たな勢力と、芸能界のつながりも出て来ています。これは実態の把握が難しい。半グレの定義そのものが固まったものではありませんから。

ただ、半グレとはいえ、一部はヤクザに片足を突っ込んでいる。組織はヤクザをバックにしています。半グレの収益源はAVの制作や風俗店の経営、芸能プロを興す者もいると聞きます。その収益がヤクザに流れている。新しいシノギになっているんですね。

なべ ヤクザにとって、半グレはカネになるのでしょうね。最近のヤクザは昔と違って、腕や度胸だけでは渡世ができず、カネ儲けが肝心みたいですから。

半グレが増えると、極道の世界が分かりにくくなるし、芸能人や堅気とのトラブルも増えていくでしょう。

森 '92年には暴対法が、さらに2011年までには全国で暴排条例が施行された。ヤクザへの締め付けは厳しくなる一方です。その反動で、半グレなどの問題も生まれ、芸能界とヤクザの関係も変わってきたと言えます。

なべさんはそんな状況のなか、『やくざと芸能と』(イースト・プレス)で、芸能界とヤクザの密接な関係をお書きになった。勇気が必要だったのではないですか。

なべ いえ、僕は芸能界に入る以前から、ヤクザと芸能の関わりについて関心があり、いつかそれを本にまとめたいと思っていたんです。

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