ドイツ
未知の新ポスト「女性活躍担当大臣」に期待を込めて
写真中央が有村治子氏 〔PHOTO〕gettyimages

発表直後の人事をあげつらうことに意味はない

「女性活躍担当」という大臣職ができた。できたと思ったら、すぐに批判する人たちがいる。それによると、大臣に抜擢された有村治子氏は、怪しい人間であるらしい。私は有村治子氏を知らないので、「そうか、怪しいのか」と思って、書いてあることを読んでみると、氏は「夫婦別姓に反対して」おり、「中絶に慎重」なのだそうだ。だから、そんな人が女性活躍大臣になるなんて恐ろしいとかなんとか・・・。

そこらへんがよく分からない。言わせてもらえば、中絶に慎重というのは、100%常識的な意見だ。「中絶は個人の自由だ! どんどんすればよい」と言う人が大臣になる方が、よほど恐ろしい。

「夫婦別姓」については、私は別姓の選択肢ができるほうに賛成だが、しかし、名前と言うのは記号ではなく、人それぞれ思い入れもあるものだし、国体や家族の形に対する信条とも関わってくるので、反対者の意見も十分に理解できる。だから、たとえ有村氏が反対であったとしても、それが彼女を否定する理由には、少なくとも私の中ではならない。これからしっかりと議論をすればよい。

日本は言論の自由が保障されている国なので、各自が自由に意見を発信するのはよいが、それにしても、発表されてまだ24時間も経たない人事をあげつらうことに、いかなる意味があるのだろう。有村氏が最初の会見で、大枠を語るのみで、具体的に何をするのかという質問に答えられなかったと、鬼の首を取ったように報道しているメディアもあったが、就任直後に、具体的な政策をすらすら言ったら、そっちの方がおかしくはないか。意地悪な質問をして悦に入っている記者は、自分の姿が見えていない。

また、女性活躍担当などという職を作ったこと自体、安倍首相の「女性問題に力を入れてますよ」というアリバイ工作だと批判する人もいる。“女性活躍”という名前が“あからさま”で信用が置けないという意見もあった。「こんな命名をしなければいけないのは、日本の男女共同参画が遅れていることを認めているようなものだ」という人もいるが、日本はもちろん遅れている。

OECD(経済協力開発機構)が9月9日に発表した調査結果によれば、大学卒業以上の高学歴の女性(25~64歳)の就業率(2012年)は、日本は加盟34ヵ国中で31位だとか(読売新聞)。学歴は男性に引けを取らないのにアンバランスだ。

これを少しでも改善しようとするなら、分かり易い言葉をバーン!と打ち上げるのは悪くない。それはどこの国でもやっている。少なくとも「女性活躍」は、「男女共同参画」よりも分かり易い。この命名通り、女性が伸び伸びと活躍できる社会になればよいなと、私は思う。

スマホ片手に発信している一般の人たちも、あら探しばかりでなく、少し頭を捻って、「こういうことをしてほしい」という具体的な提案をしたほうが、よっぽど有意義ではないか。あるいは、女性は世の中で活躍せず、家で子供を産んで、家事をしていればよいと思っている人は、はっきりそう言えばどうだ!

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