広告を見なくなった若者たちに届ける、企業色を排除した新しい広告の形

2014年09月11日(木) 坂井 直樹
upperline

ウイルスのように瞬く間に拡散する動画

「忍者女子高生」というこの動画はネットで話題を呼び、YouTubeの再生回数は600万回を超えている。

バイラルムービーとは、このように、YouTube、MySpace、Google Videoやブログなどに投稿され、ビュー数が何百万という動画を指す。誰もがスマートフォンなどで手軽に見ることができる。「バイラル」とは「ウイルス性の」という意味で、マーケティング業界では今、インターネット上のSNSなどを介して、動画を使って低コストでハイスピードに情報を拡散させる手法として期待されている。

ネットレイティングスが行った「情報ソースとして信頼できるもの」についての調査データ(※)によると、「テレビ」が60%、「新聞」が61%、ニュースが69%などであることに対し、「知人からの推奨」は90%と、最も信頼できる情報ソースになっている。ネット上のシェアは知人からの推奨ともいえるのだから、シェアで拡散するバイラルムービーの価値は大きいだろう。

※世界50ヵ国25,000人以上のインターネット利用者を対象に年2回行われるNielsen Global Online Consumer Surveyの最新調査結果(2009年4月)

成功の秘訣は企業色の排除?

株式会社パンタグラフは、同社のWebサイトにおいて、爆発的ヒットを呼んだ「忍者女子高生」のバイラルの成功ポイントの1つを「企業色の排除」だと述べている。

〈 C.Cレモン企画が再生回数を伸ばした理由として『最後まで広告だと思わなかった』というコメントが多かった点も重要です。視聴者心理として"スゴい動画を見つけた!"という気持ちが拡散というアクションに結び付くため、企業によるPR色が動画の端々から感じられると視聴者は企業側の企画意図を汲み取り、人々に拡散することをためらいます。 〉(同サイトより)

ネットの住人は広告を嫌う。どんなに「面白い!」と思える動画でも、企業色が見え隠れするとシェアの手が止まりかねない。そこでC.Cレモンは、自分たちの色をほぼ無色にまで近づけた。実際に商品が登場するのは、動画の最後にある女子高生2人がC.Cレモンで乾杯するシーンのみ。「誰がどのような目的で制作したのか?」という疑問を視聴者に抱かせたままエンディングを迎えることが、シェア拡大の要因となっている。

次ページ 企業にとって、人々のシェアによ…
前へ 1 2 3 次へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事


underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ
編集部お薦め記事