毎日フォーラム~毎日新聞社

「田園回帰」が始まった
子育て世代も都市から田舎に移住
「地方創生」へのうねりになるか[田園回帰]

2014年09月18日(木) 毎日フォーラム
毎日フォーラム
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若い世代の「田園回帰」が始まってきた。「奥出雲たたら製鉄及び棚田の文化的景観」=島根県文化財課提供

東京一極集中に象徴される大都市部への人口流入が地方を衰退させ2040年には半数近い自治体が「消滅」の危機を迎える――。民間有識者団体「日本創成会議・人口減少問題検討分科会」(座長・増田寛也元総務相)のリポートの衝撃は大きく、安倍晋三政権は「地方創生」を最重要課題に掲げた。これまでも少子化や移住促進にあの手この手を繰り出してきた自治体にはあきらめ感や疲労感も漂っているというが、一方で田舎暮らしを志向する人は若い子育て世代も含めて着実に増えている。この「田園回帰」の動きは少しずつ広がり、東日本大震災の経験がその傾向に拍車をかけているようだ。小さな動きが時代のうねりになれるか。「日本再生」への大きなカギになるかもしれない。

昨年開かれた「ふるさと回帰フェア」=東京都新宿区の早稲田大学で13年9月8日(ふるさと回帰支援センター提供)

東京・有楽町の交通会館6階にNPO法人ふるさと回帰支援センター(見城美枝子理事長)が入居している。都市の生活を切り上げて田舎暮らしを希望する人が増えるという時代の要請を受けて、02年11月、消費者団体や労働組合、農林漁業団体、経営団体、民間有志らによって設立された。移住の相談業務を始めたのは05年。情報誌「100万人のふるさと」の発行、「ふるさと回帰フェア」の開催など、移住支援のキーステーションになっている。09年には大阪事務所も開設した。

都心の一等地で約200平方メートルのオフィスに移ってきたのは12年1月。それでも手狭なくらいに、移住を求める相談者が途絶えることはない。正職員の相談員3人のほか、青森、福島、山梨、岡山の4県は専属職員が常駐し、全国の自治体の移住支援情報を網羅している。自治体主催のセミナーや相談会が年間百数十件開かれている。

同センターは本格的に相談業務を始める前の04年に首都圏、近畿圏、名古屋圏の連合組合員ら約5万人を対象に行った調査で、「ふるさと暮らしをしたい」という人が回答者の40%もいて、希望や条件が合えば田舎に移住したいと思っている都市生活者が相当数に上っていることが分かった。

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