安倍首相の改造内閣、党内人事は「優れモノ」
安倍改造内閣はプロ好みだというが、長くはないか   photo Getty Images

9月3日の内閣改造・自民党役員人事直後に実施されたマスコミ各社の世論調査は興味深い。『毎日新聞』(9月3~4日実施)の内閣支持率は前回比プラスマイナス0の47%、共同通信(同)が前回比プラス5.1ポイントの54.9%、『読売新聞』(同)は前回比13ポイント増の64%、そして『日本経済新聞』(同)が前回比11ポイント増の60%である。

それなりに好感をもって迎えられた新内閣

内閣支持率の世論調査では、安倍晋三政権発足以降の傾向として『朝日新聞』、『毎日新聞』、時事通信は低めの数字が出て、『読売新聞』、『日本経済新聞』、『産経新聞』が高めの数字が出る。安倍政権へのスタンスの違いと言えよう。

8日に発表されるNHKの調査結果は恐らく共同通信調査に近いものになり、『朝日』のそれは『毎日』調査のように50%をクリアしないのではないか。

長年、永田町ウォッチングをしてきた筆者の相場観で言えば、内閣支持率の実相は50%台半ばから後半というところだろう。谷垣禎一前法相を自民党幹事長に起用したサプライズ人事、石破茂前幹事長が地方創生相で入閣、そして小渕優子経済産業相ら過去最多の女性閣僚5人ーーなどが国民にそれなりに好感を持って迎えられたということではないか。

だが、プロ筋の見方は少し違う。自民党の新執行部は高村正彦副総裁(当選11回・無派閥)、谷垣幹事長(11回・谷垣グループ)、二階俊博総務会長(10回・二階派)、稲田朋美政調会長(3回・町村派)、茂木敏充選対委員長(7回・額賀派)といった陣立てである。

自民党内ではリベラルで知られ、消費税再増税論者である谷垣氏を、総裁を支える幹事長に起用したことは安倍氏のウィングが左に広がったということだ。これによって安倍政権が「中道保守」に転じたとは言わないが、少なくとも欧米のメディアが安倍政権を「超保守」とか「極右」と批判してきたことをかわすことができる。

加えて、可能性は低いが、仮に安倍首相が12月の消費税再増税決断を見送るにしても、谷垣幹事長は従わざるを得ない。

二階総務会長人事も巧妙である。安倍首相と麻生太郎副総理・財務相は旧経世会(竹下派)の流れを汲む二階氏とは肌合が違うとされたが、敢えて党三役に起用したのは、同氏が山口那津男代表や北側一雄ら公明党幹部と太いパイプを有していることと、中国共産党指導部へのアクセスを持っていることを配慮したためだ。

一方、安倍首相の保守思想に共鳴する稲田政調会長については、党内に不満と妬みを巻き起こしたが、「保守の星」として小渕経済産業相と競わせて育てていくという意向の現われである。

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