「乳がん診断」は来年から実用化 血液検査で「がん」診断 こんなことまで、すぐ分かる!

2014年09月10日(水) 週刊現代

週刊現代賢者の知恵

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「放射線を使った検査も多く、被曝によって健康を害することも否定できません。チェコスロバキアで行われた研究では、肺のレントゲン検査を毎年受けていた人のほうが、肺がんになりやすく、死亡率も圧倒的に高くなったというデータが出ているのです。

また、マンモグラフィについてアメリカで行われた調査では、10年間乳がん検診を受け続けると、2人に1人の割合で、がんでない人ががんだと誤診されたと報告されています」

がんの早期発見のために受けた検査によって健康が害され、精度が低い故に誤診されて無駄な治療を受けさせられるのでは、元も子もない。便潜血に至っては、結果が陽性であっても、その後の精密検査でがんと診断される人はわずか4%程度だという。

すでに普及しているがんの血液検査には、「腫瘍マーカー」があるが、主に進行したがんの状態を調べるために使われる。虎の門病院臨床腫瘍科部長の高野利実氏は、「現在の腫瘍マーカーは早期がんの診断には向いていない」と断言する。

「初期のがんでは値が上昇せず、がんでないのに上昇することもある。早期発見に結びつくことは少なく、過剰検査や精神的負担などのデメリットも多いのです」

正確さを求めるのであれば、CTやMRI、PETといった画像診断もある。だが、これらは大型の装置が必要で、医療費がかさむ。健康診断レベルで普及させるのは容易ではないだろう。

安全性、費用、手軽さ。これらの点で、新しい血液検査は、非常に優れていると言える。たった1回の採血で複数のがんを一度に調べられるので、身体への負担や被曝の心配ももちろんない。従来のがん検診からは想像もつかない手軽さで、がんの早期発見が可能となるのだ。

対象となるのは日本人に多い13種類のがん。脳腫瘍、食道がん、胃がん、乳がん、肺がん、大腸がん、肝臓がん、胆道がん、すい臓がん、前立腺がん、卵巣がん、膀胱がん、肉腫だ。5年後までに実用化することを目指しているが、なかでも乳がんは研究が進んでおり、他のがんに先駆けて、来年度にも医療機関に導入される見通しだ。分析装置さえあれば、血液採取から1時間程度で結果が出せるという。

「費用は、2万円以下にできるはずです。将来的には、この検査が企業や自治体などの集団検診のスタンダードになっていくでしょう」(前出・落谷氏)

たとえば現在がんセンターで行われている一般的ながん検診は、2日間を要し、男性で11万9200円。だが、採血だけのこの検査なら、6分の1ほどの費用で受けられるのだ。

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