木暮太一の「経済の仕組み」

カイジ「どん底からはいあがる」生き方の話
【第8回】「ポジショニング・ワーク」という考え方

2014年09月05日(金) 木暮 太一
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漫画『賭博黙示録 カイジ』とは?

自堕落な日々を過ごす主人公、伊藤開司(いとう・かいじ)。そのカイジが多額の借金を抱えたことをきっかけに「帝愛グループ」をはじめとする黒幕との戦いに挑んでいく大人気漫画。命がけのギャンブルを通じて、勝負師としての才能を発揮するカイジだが、その運命は果たして・・・。

(作者:福本伸行 講談社『週刊ヤングマガジン』で1996年11月号~1999年36号まで連載された作品)


 

【第7回】はこちらをご覧ください。

時代は"歯車"に自立を求めている

仕事を分業し、細切れにすることで、生産効率を上げることができます。そのため、企業は積極的に分業を取り入れていきます。

しかし一方で、分業が導入されると個人間の関わりを薄くしてしまいます。そして、個人が全体の中で歯車化し、「自分が何をやっているのか」の意味づけが難しくなります。

資本主義の中では、企業が"効率"を求めれば求めるほど、分業が進み、その結果として個人が自分の重要性を感じづらくなるのです。

また、年功序列・学歴主義が崩壊し、社会の"階級システム"が崩れていくと個人個人が、自分の判断で自己実現をしていくよう求められます。「これからは、自分次第です!」と。

しかし、これまで分業が進み、個人は歯車化しています。個人は会社の中で、また社会の中でほんの一部分を担当する歯車になっているわけです。

資本主義の中で生き残るためには、効率も重要です。そのため、生き残るために分業が進み、"歯車"になっていくことは自然なことなのです。

"組織の歯車"を否定するわけではありません。むしろこの世の中では、ひとりですべての工程を行うことなどほぼ不可能です。能力としてそれが可能だったとしても、効率が悪く、他者との競争に負けてしまいます。

気づかなければいけないのは、ぼくらは全員"歯車"だということです。プロスポーツ選手は全員、チームのために機能する"歯車"です。イチロー選手が「このバッターは俺が打ち取る」と言ってマウンドに上がることはありません。サッカーのアルゼンチン代表のメッシ選手は、点を取ることに集中・特化しています。

現時点で、「歯車にならず、自分ひとりだけいれば、消費者に商品を届けられる」という人がいたら、それは単なる勘違いか、商品を年に数個しかつくらない特殊な職人などで、さほど効率性を求めていないかのどちらかでしょう。

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