「モノ言わぬ株主」が「責任ある機関投資家」へ
大手生保の圧力で日本企業が変わる!

生保各社は「モノ言わぬ株主」から脱却しつつある

大手生命保険会社が8月末、「責任ある機関投資家」としての行動方針を一斉に公表した。

安倍晋三内閣が昨年6月の成長戦略「日本再興戦略」に「日本版スチュワードシップ・コード」の制定を盛り込み、今年2月に金融庁が指針(コード)を策定したのを受けた生保各社が具体的にどんな行動を取るかを明確化している。

これまで、ともすると「モノ言わぬ株主」などと揶揄されることがあった生保が大きく変わり始めようとしている。

金融庁の思惑を超えて生保が動いた

安倍内閣は、生保など機関投資家が「株主」「投資家」としての利益拡大に動くようになることで、経営者に圧力がかかり、企業の収益性が高まることを期待している。スチュワードシップ・コードという耳慣れない言葉に、経済界などからもほとんど反対が出ないまま導入が決まった。

保険契約者の利益を最大化するために投資家として行動することが求められる生保の中には、当初、受け入れに難色を示すところもあったが、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)なども含め主要な機関投資家が受け入れ表明する中で、生保もそろって受け入れる方針を示していた。

それでも、生保の行動は変わらないのではないか、という見方も根強くあった。金融庁の担当者も「何かを新たに義務付けるわけではなく、これまで通りで特に問題はない」と公言していた。

大手生保が真正面から反対に回れば「日本版スチュワードシップ・コード」自体が空中分解しかねないと恐れたからだが、「今まで通り」というのは本音でもあった。コード制定で生保の行動を大きく変えようなどという意図は持っていなかったのである。