ゼロメートル地帯の堤防が1ヵ所破壊するだけで、首都は水没する・・・土屋信行・著『首都水没』
佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」Vol043 読書ノートより

読書ノート

◆土屋信行『首都水没』文春新書、2014年8月

『首都水没』税抜価格:760円⇒Amazonはこちら

全国でゲリラ豪雨による深刻な災害が起きている。著者は、元東京都職員で治水の専門家である。利根川が氾濫した場合、浸水区域内人口は約230万人、死者数は約6300人になると予測している。

<これまで見てきたように、東京の水災害への危険性は、極めて高いと言わざるを得ません。首都東京の安全性は日本だけの問題ではなく、東京と情報を通して繋がっている世界の国々との経済的な信頼関係、他国との政治的な信用の問題も掛かっているのです。

きわめて高密度な情報の集積は、都市機能の高度化につながる一方で、そこが攻撃の対象となれば、ウイークポイントになるということです。

東京の場合は、大潮の満潮時にゼロメートル地帯の堤防のどこか1ヵ所を破壊するだけで、首都が水没し、地下鉄、共同溝、電力通信の地下連絡網のあらゆる機能が失われるのです。「日本沈没」です。

日本を攻撃するのに大量の軍隊も核兵器も必要ありません。無人攻撃機1機で足りてしまうかもしれません。ゼロメートル地帯の提防をわずか1ヵ所決壊させるだけで、日本は機能を失うのです。まさにゼロメートル地帯の堤防は、日本にとってのタイトロープです。だからゼロメートル地帯の堤防は、壊れない堤防にしなければならないのです。

ゼロメートル地帯の治水対策とは「洪水対策」であり、住民にとっての逃げられる「命山」であり、そして日本にとっての「安全保障」なのです。まさに「水を治むる者は、国を治む」なのです。

「首都水没」は「日本沈没」への序章なのです。>(240~241頁)

ゲリラ豪雨、大型台風に合わせて、治水関連施設に対するサイバー攻撃が行われれば、首都機能が麻痺する危険がある。万全の対策が必要だ。

このテーマについて深く知るための「連読」3冊
・伊東寛 『「第5の戦場」サイバー戦の脅威』祥伝社新書、2012年
・小松左京 『日本沈没 上』小学館文庫、2005年
・小松左京 『日本沈没 下』小学館文庫、2005年
・権藤成卿 『日本震災凶饉攷』文藝春秋社、1932年

佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」vol043(2014年8月27日配信)より

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