テレビの世界も高齢化~真剣に子供・若者に向けた新たな番組づくりをするべき!
高堀 冬彦

幼児・小中高生の深刻なテレビ離れ

逆に子供向けの番組は昭和期より極端なくらいに減った。NET(日本教育テレビ)を前身とするテレ朝は、かつて教育的な低年齢層向けドラマを得意とし、79年から85年にかけては『あばれはっちゃく』シリーズをゴールデンタイムで放送していたが、今は全局を眺めても夜の子供向けドラマが見当たらない。

中高生らティーンズの視聴者も重視されているとは思えない。かつてNHKには午後6時台に『少年ドラマシリーズ』(72~83年)があり、映画『時をかける少女』の前身である『タイム・トラベラー』(72年)などの名作を放送していたが、今や影も形もない。大半の人は一度は見たであろう『中学生日記』も2年前に消滅した。

同じくNHKには『新八犬伝』(73年)などの小中学校生向け人形劇があったが、これも消えた。『新八犬伝』が始まる平日の午後6時半が近づくと、当時の少年たちは慌てて帰宅したが、そんな番組は今やどこにもない。

10代、20代のテレビ離れが深刻視されているが、その年齢に達する前、幼児や小中学生が見る番組が少ないのだから、離れていくのは当たり前だろう。子供と若者たちにとって、テレビは昔ほど身近な存在ではないと言われているが、そもそも中高年齢層向け番組が幅を利かせているのだから、仕方がない現象なのだ。ティーンズがテレビよりLINEに夢中になるというのも当然である。

総務省の調べによると、60代は1日に257分もテレビを見ている。50代は176.7分。ところが10代は102.5分で、60代の半分以下だ。20代も127.2分しか見ていない。ネットやゲームなど次々と新たな楽しみが増えたことも理由だろうが、子供や若者を大切にしていないツケがまわって来ているとも言える。

中途半端なネットとの連動

最近こそ各局は低年齢層、若年齢層の視聴者を意識してか、番組とスマホの連動に力を入れ始めたが、肝心の番組の中身が子供や若者には縁遠くなっているのだから、どこまで奏功するのかは疑問だ。

池上彰氏が初代キャスターを務めていたNHKの『週刊こどもニュース』も3年半前に終わった。NHKは今、午後11時半からの『NEWS WEB』を若者向けニュースとしてイチ押ししているが、子供の段階でテレビのニュースに関心を持たせようとしていないのだから、定着させるのは難しいだろう。

『NEWS WEB』は低視聴率が続いており、民放だったら、とっくに打ち切りになっているレベル。それも仕方がない。まず、若いコメンテーター役が中高年齢層の視聴者に馴染みが薄く、おまけに画面にツイッターでの意見を入れ込んでいたりするから、見にくい。

それらの演出は若年齢層の視聴者を強く意識してのことだろうが、若者たちにも受け入れられているとは言い難いので、結局は高い視聴率が得られるはずがない。ネットとの連動を図ろうとしているようだが、ニコニコ動画のような思い切りはなく、どうにも中途半端だ。

若者向けに特化したニュースをやろうと考えるのなら、フジが放送していた伝説の情報番組『リブ・ヤング!』(72~75年)のように、とことん若者の目線に合わせてしまうべきなのではないか。中高年齢層からアウトサイダーと呼ばれる人たちが出演陣に加わり、政治や社会について語ってもいいと思う。現状は、若い視聴者を取り込もうとしながら、中高年齢層以上への色気も見え隠れして、虻蜂取らずに陥っている。