【舛添都知事日記】総合防災訓練で見たアジネットの成果---東京を軸としたアジアの都市間協力を進めたい!
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アジアの都市間ネットワークを活かすために

今週は、ロシアの西シベリアにあるトムスクに出張する。「アジア大都市ネットワーク21」というアジアの都市の連合体の会合に出席するためである。この組織は2001年10月に発足したものである。

バンコク、デリー、ハノイ、ジャカルタ、クアラルンプール、マニラ、ソウル、シンガポール、台北、東京、トムスク、ウランバートル、ヤンゴンの13都市が加盟している。かつては北京も加盟していたが、2005年にさまざまな政治的理由で脱退している。

当初は首都のみであったが、ロシア政府の推薦でトムスクが加わったため、その慣例は破られた。今回は、そのトムスクで総会が開かれるが、これまでこのネットワークは、アジアの都市間の交流・協力関係を推進するのに大いに役立ってきた。

たとえば、北京と台北が共に加盟していることは、国家間でできない関係の構築にも役立った。しかしながら、北京が脱退したため、そのメリットも失われたし、近年は総会に参集する都市も減ってきており、また、出席者もトップの市長や知事ではなく、代理となるケースも増えてきた。

4月に北京に行ったとき、北京市長に対して、アジネットに復帰してはどうかと提案したが、中国共産党首脳部の意向もあり、それは容易に実現しそうもないという感触を得た。アジネットは、発足以来10年以上が経過しており、組織の運営もマンネリ化してきたきらいがある。そこで、この辺りで、組織のあり方を再検討することが必要になってきていると感じている。

9月3日には東京を発ってトムスクに向かうが、総会で、以上のような問題意識を述べて、参加者の意見を求める予定である。これまでの成果を生かした上で、さらにアジアの都市間ネットワークを活かしていく道を模索したいと考えている。実務的な関係は維持しつつも、トップによる首脳外交を展開する機会を再構築することが必要ではあるまいか。

北京と台湾の関係も近年大きく変わってきている。今の習近平政権自体が台湾とのかかわりが深く、民間レベルの交流も進んできている。中国を訪ねる台湾の人々は、訪中する日本人数よりも多い。また、台北の故宮博物館を訪ねると、中国からの観光客の多さに驚かされる。このような状況下では、マルチの外交よりも、バイの外交のほうが意味がある。

4月に北京に、7月にソウルを訪れたのは、そのようなことも念頭に置いてのことである。トムスクで参加各都市の代表とアジネットの今後のあり方について、忌憚のない意見交換をする予定である。東京を軸としたアジアの都市間協力がさらに進むように全力をあげたいと考えている。

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