個人消費「低迷」で景気は「後退局面」…政治判断で消費税10%をスキップできるか?

先週は〝石破の乱〟か、と色めき立ったが、結局、大山鳴動して鼠一匹……どころか、鼠一匹も出なかった。

政治家の側近がいろいろと語るのは政治闘争の常であるが、驚いたのは、石破幹事長本人が8月25日のラジオ番組で「首相と100%(考えが)一緒の人が答弁するのが一番いい。『違う』と答えたら国会が止まる」公言し、しかも幹事長続投を示唆してしまったことだ。

ここまで本人が言うからには、かなりの覚悟があったと思うのだが、どうもその後の安倍陣営による反撃で、石破氏本人はあっさり撃退されてしまったようだ。29日昼の安倍首相との会談は手打ちだ。朝日新聞には、「石破氏入閣受諾、『次はあなた』が最後の決め手」とまで書かれてしまった。

禅譲をほのめかされて潰れていった人はこれまでも多い。優柔不断の印象にもなってしまった。はたして、石破氏はどう次の戦略を練るのか。

政局は起こらなかったが、経済面での消費増税の影響はじわじわと効いている。〝石破の乱〟の間の26日、政府は月例経済報告を発表している。

「駆け込み需要の反動」ではなく「消費増税による需要減」

基調判断は変わっていない。つまり、消費増税の影響は軽微で、すぐに盛り返すということだ。ただ、先行きについて、先月までの「海外景気の下振れが、引き続き我が国の景気を下押しするリスクとなっている」という表現が、「駆け込み需要の反動の長期化や海外景気の下振れなど、我が国の景気を下押しするリスクに留意する必要がある」と書き換えられている。

「駆け込み需要の反動の長期化」というのは、あまり正しい表現とは言えない。消費増税は、増税前に駆け込み需要をもたらし、増税後はその反動減とともに、増税による可処分所得の減少を通じて需要の減退がある。駆け込み需要とその反動減は、ならしてみれば影響はない(消費時期が異なるだけ)が、3%増税分の消費減少効果がある。それを「駆け込み需要の反動の長期化」と言ってはまずい。「消費増税による需要減」である。