「そうだ戦地に行こう」追悼観光旅行がブーム

ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール(フランス)より

2014年09月08日(月)

この夏、フランスでは、少々毛色の変わった観光旅行が流行している。かつての戦地を訪ねる「ダークツーリズム」だ。

第二次世界大戦でナチス・ドイツが敗北に追い込まれる転機となったノルマンディー上陸作戦から今年で70年、第一次大戦勃発から100年を迎える。節目の年に二つの大戦の跡地を訪れようと、歴史の舞台に観光客が殺到しているのだ。

その半数近くが外国人で、米国、英国はもちろん、南アフリカやニュージーランドなどから訪れる人も少なくない。

たとえば、北フランスのソンム県。第一次大戦最大の激戦地で、当時の最新兵器だった戦車が初めて投入された「ソンムの戦い」で知られる。昨年、県内の塹壕跡や博物館を訪れた観光客は40万人を数える。

ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール(フランス)より

こうした戦地巡礼は「意味ある観光」「忘れないための観光」と呼ばれ、昨年はフランス全土で700万人超の集客があり、4500万ユーロ(約62億円)の収益を上げた。記念の年である今年は、その倍の売り上げが見込まれている。

フランス国防省の責任者は、ブームの背景をこう説明する。

「元兵士や遺族による戦地訪問は、第一次大戦直後から行われていました。ガイドブックが発行され、訪問者を迎え入れるためにインフラも整えられた。年月とともに〝戦争の生き証人〟は世を去っていきましたが、代わって観光客が訪れるようになったのです」

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