「シリコンバレーの“植民地"にはさせない!」欧州で吹き荒れる米大手IT企業への逆風

オブザーバー(UK)より

2014年09月07日(日)
欧州委員会が最も"敵視"しているのはグーグルだという〔PHOTO〕gettyimages

「いま自分たちの自由を守り、国の政策を変えなければ、私たちはデジタル時代の君主に支配され、その"催眠術"にかかった臣民となってしまうだろう」

そう語るのは、ドイツ経済相のジグマール・ガブリエルだ。欧州では現在、こうした考えを持つ政治家が増加しており、グーグルやアマゾンといった米国の巨大IT企業に対する、規制強化の風が吹き荒れている。

たとえば欧州裁判所が今年5月に下した「忘れられる権利」に関する判決だ。これは、グーグルは当事者の要求に応じて、「個人情報を含むウェブサイトへのリンクを、検索結果から削除する義務がある」としたもの。この判決によって同社はすでに、ウェブサイトのページ数にして25万ページに上る削除依頼を受け取っている。

また、欧州での企業活動の拠点として、アイルランドに子会社を持つアップルや、ルクセンブルクに支社を置くアマゾンなどが、1桁台の税率でしか納税していないことも問題視されている。欧州委員会によれば、こうした多国籍企業の課税逃れに対する調査が、今後強化されていく見込みだ。

オブザーバー(UK)より

さらに7月中旬には、ルクセンブルクのジャン=クロード・ユンケル前首相が次期欧州委員長の指名を受けた。ユンケルは「欧州に強力なデジタル経済を作り出すこと」を最優先課題として掲げている人物。EU加盟諸国の著作権やデータの保護、電気通信規制に関する取り組みにいっそう注力すると同時に、"第二のフェイスブック"のような世界的なIT企業を欧州から生み出すことを目指すという。

シリコンバレー企業に対する欧州の風当たりは、今後さらに強まっていきそうだ。

COURRiER Japon
2014年9月号

(講談社刊、税込み800円)発売中

amazonこちらをご覧ください。
楽天
こちらをご覧ください



最新号のご紹介

COURRIER最新記事
Ranking

「クーリエ・ジャポン」 毎月25日発売

More
Close