Sumally山本憲資【第2回】精度の高い広告とPOSシステムを機能させるため、100万ユーザーを目指す

物欲刺激SNS「Sumally(サマリー)」。ジャーナリスト・佐々木俊尚氏がSumallyを提供する株式会社サマリーのFounder&CEO、山本憲資氏に迫るインタビュー企画。第2回は、年内中にユーザー100万人を目指すというその理由、そこでSumallyが可能にするちょっと先の未来の話---。

第1回はこちらからご覧ください。

100万ユーザーをとれば、雑誌全体のカルチャーを網羅できる

山本 2011年の秋に始めたので3年弱くらいのサービスになりますが、現在、ユーザーは40~50万人。毎月数万人ペースで増えているところです。とりあえず今年度、ユーザー数100万人くらいを狙っていきたいですね。

佐々木 売買は活発なんですか?

山本 まだ始めたばかりでこれからです。それまでは"want"と"have"だけでコミュニケーションするようにできていたので。

佐々木 ビジネスモデル的に、やはり今後はそこで収益を上げる予定でしょうか。

山本 そうですね、コマースのトランザクション(取引)とうまくマネタイズしていく方法を見つけていかないと、というところです。売買の手数料も今は取っていませんが、将来的には売上の何%という形でとっていこうかなと思っています。

佐々木 ユーザー100万人を目指すということですが、その数字に理由はあるんですか?

山本 今、ライフスタイル誌の雑誌の合計部数は、大きい出版社でざっくり100万部くらいなんですよ。ユーザーが10万人超えたあたりから、1雑誌に負けないくらいの力がSumallyにも出てきて。だから、ユーザーが100万人到達したら、いろいろなカルチャーを持つ雑誌全体の「面」と渡り合える部分が出てくるのではないかと考えているんです。男女ともにモノに興味がある人を100万人とっていければ、雑誌にいっていた広告の予算もとっていけるんじゃないかな、と。雑誌の広告は沈んでいると言われながらもまだ2000億円以上ありますから。

佐々木 なるほど。雑誌の凋落についてはどう考えていますか?

山本 個人的には、女性誌はなくならないんじゃないかと思っているんです。やっぱり、まだ、デジタルでは豊かに見せることができない部分がある気がします。

佐々木 雑誌がネットに移行したら、どのように吸収されていくんでしょうか。

山本 それでも、両方使われるようになるんじゃないでしょうか。女性は新しい鞄とか人気のホテルとか、移り変わるものに対してコミットしなきゃいけない。雑誌のようにあれだけ編集された状態でパッケージ化して届けるって、まだ、ネットでは難しいと思います。できないこともないですが、はっきり言って、雑誌の方が新しい情報は見やすい。

佐々木 じゃあ、雑誌は消えない、と。

山本 少なくとも女性誌は、なくなることはないと思います。ただ、男性は必要な情報がとれればいいですから、男性誌は今後ますます厳しくなっていくのでは、とは思います。

佐々木 ああ、カットハウスとかまさにそうですね。男性は1回行ったらずっと同じところに行き続けるけれど、女性はすぐ新しいところに浮気をする(笑)。着ている服も、男性はひとつのブランドが気に入ったらそればかり着るでしょう。

山本 あはは、そうですね。男性の流行りって限られた人達のためのもので、実際、街中の男子がそれ一色という状態にはなかなかならない(笑)。

佐々木 女性誌の場合、セグメントが進んでいて細分化されていますよね。今、あの細分化がさらに進行していて、紙ではあの多様性に耐えられなくなるのではないかと考えたことがあるのですが、いかがでしょうか。

山本 うーん。確かに、継続的に100万部の雑誌を作るのは難しいでしょうね。けれど、5万部、10万部で成り立つビジネスを堅調にやっていけば生き残る可能性はあると思います。たとえばVOGUEの発行部数は数万部のはずですが、海外ブランドはいの一番にVOGUEに出すじゃないですか。

佐々木 極端にハイファッションの世界があって、一方で宝島が出すような、地方のマイルドヤンキーに訴求する雑誌がある。けれど、マイルドヤンキーというのはどちらかというとマスリーチの世界で、テレビで情報を得る人が多い。その両極端の間に広大で多様な世界があるわけですが、山本さんがおっしゃったように、ひとつのセグメントが数万人もいなければ紙の雑誌だと難しいでしょう。

アメーバのように小さなセグメントが動くと考えると、そこはネットの方が向いているのかもしれません。プラットフォームだけあって、セグメンテーションはユーザーが勝手にやっていく、というのはアリですね。

山本 そうなっていくと思いますし、まさに、Sumallyのようなメディアが対応していくべきところだと思います。

佐々木 そういうのが可視化されると面白いですよね。現状、Sumallyはフォローとフォロワーという関係だけがあって、それは常に1対1です。自分と同じような人やインフルエンサー的な人にフォローされている人はどういう人なのか、他の人はどういう人にフォローされていて、どういうセグメントなのか、とユーザーひとりひとりが見えるようにできれば面白い。自分がどういう文化にいるのか見たい、という欲求は少なからずありますからね。

山本 はい、そこは今後、可視化していきたいところですね。自然に見えるのがいちばん良いんでしょうけれど、ユーザーが何百万人にもなれば見えてくるのかな、と考えながらせっせと頑張っています(笑)。

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