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Sumally山本憲資【第1回】ネット上に、モノが買えるリストを、そして新しい街をつくる

山本憲資氏と佐々木俊尚氏

"モノ"を通じてユーザー同士がつながるソーシャルネットワークサービス「Sumally(サマリー)」。「自分が何を持っていて、何を欲しいのか。そして何を売っているのか」---ユーザーがそれぞれの情報を公開し、センスを介してコミュニケーションを図っている。「これからのメディア」をテーマに佐々木俊尚氏がインタビューをする本連載、第2弾は、Sumallyを提供する株式会社サマリーのFounder&CEO、山本憲資氏に迫る。第1回は、Sumallyが生まれた経緯、そしてSumallyが実現しようとしている世界について---。

物欲刺激SNS「Sumally」とは?

佐々木 早速ですが、Sumallyのサービス内容から説明していただいてもよろしいでしょうか。

山本 はい。Sumallyは、ユーザーが欲しいモノや持っているモノを公開し、そのアイテムに対して他のユーザーが"want(欲しい)"と"have(持っている)"をつけることでコミュニケーションをとることができるサービスです。自分の好きな人をフォローすることで、自分の好きなモノがどんどん自分のタイムラインに流れてくるため「物欲刺激SNS」とも呼ばれています。どうして僕がSumallyをつくろうと思ったかというと、キャリアとしてはもともと雑誌の編集をしていて。

佐々木 コンデナスト社の「GQ JAPAN」にいらっしゃったんですね。

山本 はい。編集の仕事は楽しかったんですが、「あと30年はやっていけないだろうな、何か新しいことをやってみたいな」と考えたときに、このサービスを思いついたんです。そもそもモノが好きだったのですが、ずっと「Nikeの歴代モデルを一覧で見られるようなパブリックな場がない」と思っていて。Nikeに限らずadidasも、Macのパソコンですら、モノって全然整理されていないんですよ。人間がつくったモノは人間が整理するべきなんじゃないか、モノの百科事典的なサービスをつくれないか、と思ったのが最初のアイデアです。

佐々木 「モノの百科事典」ですか。なるほど。

山本 「2010年代の百科事典」である以上、「モノの写真+名前」だけでなく、誰がそれを持っていて、誰がそれを欲しくて、そして誰がどこで売っているのかという情報も、モノをアイデンティファイする上で大事な情報になる、と考えたんです。Sumallyの名前も、「sum(足す)」と「all(すべて)」、つまり、全部をつなげるという意味でつくった造語です。

佐々木 フォロワーとフォローされている人は、直接コミュニケーションはとれるんですか?

山本 "want""have"自体がコミュニケーションだと考えていますが、どうしても直接連絡をとりたいときは、連携しているTwitterとFacebook経由で直接お話していただくしかありません。ただ、最近は、売買というコミュニケーションへも発展しています。

佐々木 あえて言語を介さなかったのは、世界展開を狙ってのことなんでしょうか。

山本 インタレストグラフ(趣味や嗜好、興味を共通項として繋がる仕組み)のつながりって、言語的に濃いつながりというより、「なんか合うな」というゆるやかなつながりの方がいいんじゃないかと思っていて。グローバルを狙って言語に頼らなかったというよりも、センスへの共感は言語のやりとりではないだろうと感じました。TumblrPinterestもそうですし。もちろんグローバルにも進出していきたいですが。

佐々木 ああ、確かに、TumblrにもPinterestにもメッセージのやりとりはないですね。