「特捜部のリハビリ案件」徳洲会事件が終結!
「しばらく無理をしない」検察の姿勢が鮮明に

猪瀬直樹前都知事が辞任した徳洲会事件だったが、政治家の逮捕者は出ず捜査終結  photo Getty Images

医療法人・徳洲会グループをめぐる公職選挙法違反事件は、これまでに起訴された徳田虎雄前理事長の親族やグループ幹部など10人が、全員、有罪判決を受けた。

東京地検特捜部は、残る徳田虎雄氏について、ALS(筋委縮性側索硬化症)で療養中であることに配慮、不起訴処分(起訴猶予)とすることを決めた。1年近くにわたった捜査は、これで終結する。

「医療法人と選挙とカネ」のカラクリは解明したが・・・

この事件は、さまざまな側面を持っていた。

検察にとってみれば、証拠捏造の大阪地検事件で地に堕ちた検察の威信を回復させる格好のリハビリ案件だった。

事務所の設置やポスター貼りにまで細々とした規定を設けた公職選挙法は、「やってはけない」ことを明示した「べからず法」であり、これまで警察が、選挙終了後、ノルマ的に摘発を繰り返すのが常だった。

しかし、大阪地検事件を受けた「特捜改革」で、被疑者の取り調べを録音録画の可視化のもとで行う以上、否認案件が多くなるのは仕方がない。

証拠が残り、否認しても起訴しやすい公選法は、無理な捜査はしないが、使える法律は何でも使って起訴するという特捜捜査の新しい方向性を示すものとなった。

狙い通り、運動員買収の証拠の数々を握った特捜部は、事件を仕上げ、徳田毅代議士を辞任に追い込み、連座制を適用、5年間の立候補禁止を確定させた。

同時に、代議士時代から指摘されていた虎雄氏の「医療法人と選挙とカネ」のカラクリが解明された。

札束が乱れ飛ぶといわれた「徳之島選挙」を戦い抜き、自由連合という政党まで立ち上げた虎雄氏の芳醇な「人とカネ」は、日本最大の医療法人・徳洲会グループが捻出していたのは自明だったが、特捜部が解明したのは、病院が得るべき医業収入の一部が、徳田ファミリー企業に付け替えられ、そこが政治資金として流し込むシステム全体だった。

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