[MLB]
佐野慈紀「カムバックの和田&藤川への高まる期待」

 海の向こうでは、トミー・ジョン手術を受けた2人のピッチャーが、メジャー復帰を果たしています。同じカブスのチームメイトである和田毅と藤川球児です。私自身、手術の経験があるだけに、苦しいリハビリを乗り越えてカムバックし、結果を残している2人の姿には感慨深いものがあります。

 メジャーリーグに挑戦した日本人ピッチャーの中でも、私が最も期待していたひとりが和田でした。というのも、先発ピッチャーはほぼ全員が140キロ後半以上のスピードを誇る剛腕でしたが、和田は決してスピードで勝負するタイプではないからです。彼は緩急とキレで勝負するピッチャー。ある意味、最も日本人らしいピッチャーと言えます。そんな彼がメジャーで成功すれば、さらに日本人ピッチャーの可能性が広がると思っていたのです。

 実際に、先発として立派に結果を出していることが何より嬉しく感じています。特に7月28日(現地時間)、ロッキーズ相手に7回5安打1失点と好投し、メジャー初勝利を挙げた時は、「さすが、和田だな」という気持ちや、「本当に良かった」という気持ちなど、いろいろな思いがこみ上げてきました。

 13日(同)のブリュワーズ戦では、7回途中まで投げて5安打2失点で2勝目を挙げました。ブリュワーズは現在、カブスと同じナショナルリーグ中地区の首位を独走するチーム。しかも9人全員が右打者という“左キラー”の打線に対し、和田は6回まで無失点に封じていたのです。最後は7回2死から2者連続でのホームランを浴びて降板となりましたが、しっかりと先発の役割を果たしました。メジャーの雰囲気にも慣れ、徐々にバッターにも対応してきていますから、残りのシーズン、ローテーションピッチャーとして十分にやってくれるでしょう。

 実質的には初めてのメジャーでのシーズンですから、現在は自分のボールをしっかりと投げることを重視していることでしょう。これが今後、相手バッターとの駆け引きも自分の思う通りにできるようになれば、さらにピッチングが安定してくると思います。