ゴールドマンサックス、アマゾン、GEなど世界企業をリードする「ハゲ」トップたち列伝
『なぜ世界でいま、「ハゲ」がクールなのか』第2回

変化先取りのビジネス人

著者の福本容子氏(毎日新聞論説委員)

アマゾン、ゴールドマン・サックス、マイクロソフト、ゼネラル・エレクトリック(GE)、USスチール・・・。

どれも、アメリカを代表する有力企業だけど、それ以外にも共通項がある。代表的なトップ(社長)のトップ(頭頂)がスッキリ! なのだ。

みなさん、それほどお歳というわけではない。GEの元CEO(最高経営責任者)ジャック・ウェルチさんは1935年生まれだから、確かに今はご高齢。でも、10年前も20年前も、髪の毛はほとんどなかった。アマゾンの創業者でCEOのジェフ(ジェフリー)・ベゾスさん(1964年1月生まれ)は50歳にならないうちから、ツルッとしている。

万人に好かれたい、若々しく、元気に見られたい――が依然として支配する政治家と違い、ビジネスを極めている人たちの中には、結構、「堂々たるハゲ」と呼んで良さそうな面々が少なくないのだ。そしてそれが、彼らのオーラの一部になっている。

同じハゲの経営者でも、いくつかタイプがあるようだ。勝手に分類をしてみると――。

まず、カリスマオヤジタイプ。GEのジャック・ウェルチ元CEOやメディアの帝王、ルパート・マードックさんのような、長年にわたり影響力を行使してきた経営トップである。

GEは、偉大なる発明家、トーマス・エジソンさんが始めた会社に起源の一つを持つ伝統いっぱいの企業だ。設立から120年が経ち、古いはずなのに、今でも革新的と評価され、アメリカの誇りのような存在でもある。よく「ニューヨーク株式市場の株価は」とニュースでやる時に出てくるダウ工業株30種平均。構成する30銘柄は何十回と入れ替わっているけれど、1907年に組み込まれて以来、最長の存続記録を更新しているのがGEだ。

なぜ世界でいま、「ハゲ」がクールなのか』 (講談社、税込み 907円)

そのGEのトップを1981年から20年にわたり務め、大企業病、スランプ状態に陥っていたGEを立て直した「伝説の経営者」として知られるのがウェルチさんである。経営に関する本もたくさん出していて、日本でも多くがベストセラーになった。

ウェルチさんは名言もいっぱい残している。その一つ、起業家に必要な資質としてこんなのがあった。

「何度も何度も『ノー』と言われ、それでも笑顔でいられるようなスタミナを持っているか?(成功する)起業家は拒絶されてもひるまない粘り強さを持っている(*1)」

この忍耐強さ、打たれ強さは、「髪の毛があるのが良い」が通念になっているこの世の中にあって、髪がなくてもひるまず自信を持って率いてきたウェルチさん本人の姿と重ならないこともない。