施設偏重な政策を見直し、親のいない子どもたちに家庭で育つ機会を!
ヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表土井香苗氏に聞く
提供:© 2012 猿田佐世/ヒューマン・ライツ・ウォッチ

少しだけ想像してみてほしい。
自分の子どもが1対1でケアされることなく、この環境で0歳~2歳を過ごすことになったら。

提供:© 2012 猿田佐世/ヒューマン・ライツ・ウォッチ

もしも自分が3歳~17歳の間、両親に育てられることなく、このベッドの上で寝て起きる生活を365日送っていたら。

家庭とかけ離れた施設での生活

1枚目はある乳児院、2枚目はある児童養護施設の写真だ。

親を亡くしたり、育児放棄や虐待といった理由で親に育てられることが困難な子どもを社会全体で育てていくことを「社会的養護」という。日本には、社会的養護下にいる子どもが約4万人いる。そして、そのうち約3万4千人の子どもたちが上の写真のような「児童養護施設」で暮らしている。

日本に595ある児童養護施設の半数は50人以上の子どもを抱え、共同部屋で一斉に寝起きし、一斉にごはんを食べるといった集団生活を送っている。そこには、平均で5.5人の子どもに対して1人のスタッフが、週5日、交代制で勤務している。こうした環境は一般的な家庭とはかけ離れ、スタッフは子どもと1対1で向き合う親の代わりとは言い難い。

社会的養護下にある子どもの受け入れ先としては、0歳~2歳は乳児院、3歳~17歳は児童養護施設の他、5~6人の小規模なファミリーホームや里親宅など家庭により近い環境もある。戸籍上でも親となる「養子縁組」がなされれば、その子どもは社会的養護からは外れて、いわゆる家庭で育つこととなる。

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