「女性の部下が泣くとき、上司はどう対応すればいいの?」
~女性は認められたい相手だからこそ泣く?~

元・リクルートのワーキングマザー堂薗稚子さんによる特別コラム【第1回】
堂薗 稚子

そうは言ってもいちいち泣かれていては仕事にならないし、周囲への影響も心配になる。ミスを叱るときは、「どうしてそうなったか」の経緯を丁寧に聞き取りすぎると、涙になる可能性が高くなることを知っておいた方がいい。過去の自分に共感してしまい、「これ以外にミスなんてしたことがないのに・・・」と思ってしまったり、「○○さんがこうした方がいいと言った」「このやり方は聞いていなかった」などと他責になってしまったり、またしても「やっぱり私は最低だ」と強い自責に駆られてしまったり、感情がぐるぐるしてしまうからだ。

「やってしまったものはやってしまったもの」として、「今後はどうやっていけばよいか」に焦点をおいて会話すると比較的冷静に建設的な話ができることが多く、後味もいいので上司の株もあがる。これは男女問わずに使える叱り方かもしれない。

私が20代の時、ある女性上司の前で涙したことがあった。人事面談だったと思う。彼女は全く態度を変えずに面談し続けてくれた。私も途中で涙が引っ込んだ。面談が終わったとき彼女は、「みっともない顔してるから、こそっと顔を洗ってきなさい」と言った。そして、「職場で泣くのはルール違反だよ。女が泣くと仕事の相手がどう思うか考えなさい。あなたの価値が下がる。最後まで我慢してトイレで泣きなさい。うるさいから別のフロアでやってよね」と付け加えた。女性上司だからこそ言える事でもあると思う。

しかし、期待している女性部下ならば男性上司であっても伝えてあげてほしい。わかっちゃいるけど出る涙。でもそれは女性がビジネスで手加減される元凶になる。泣かない訓練はやはり必要だ。

* * *

堂薗稚子(どうぞの・わかこ)
1969年生まれ。1992年上智大学文学部卒業後、リクルート入社。営業として多くの企業を担当し、数々の営業表彰を受ける。管理職として、多様な雇用形態の組織の立ち上げやマネジメント、「リクルートブック」「就職ジャーナル」副編集長などを経験。2004年第1子出産。2007年当時組織で最年少、女性唯一のカンパニーオフィサーに任用され、事業責任者、「リクナビ派遣」編集長を務める。
2010年に第2子出産後はダイバーシティ推進マネジャーとして、社内外女性のメンターを務めつつ、ワーキングマザーで構成された営業組織の立ち上げ、マネジメントを担当し、彼女たちの活躍を現場で強く推進した。経営とともに真の女性活躍を推進したいという思いを強くし、2013年退職。株式会社ACT3設立、代表取締役。女性活躍をテーマに、講演や執筆、企業向けにコンサルティングなどを行っている。
東洋経済オンラインにて「堂薗姐さんに聞け! キャリア女の人生講座」を好評連載中
http://www.act-3.co.jp